英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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この本の映画化の記事を読んだ時から、ぜひ見に行こうと思っていました。
アフガニスタンという国と、その自然をぜひ映像で見てみたかったからです。

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Kite Runnerの原作を読んだのは昨年の12月(ここ)。
アフガニスタンで少年時代を過ごし、今はアメリカに住んでいるアフガン人の物語です。
映画を見終わってみて、原作がうまく生きたいい映画だな、と感じました。



期待通り、アフガニスタンの高く聳える山々や、乾いた大地が印象的。 
それ以上に、ソビエト侵攻以前の、1970年代のカブールの街並みが、彩りもあざやかで生き生きしていて素晴らしかった。
凧揚げ競争のシーンは、街中が凧揚げに興奮しているのが良くわかる。
街中の人が息を飲んで見守るなかで、最後の相手の凧を切り落として、
優勝する、AmirとHassanの2人の少年の喜びも、うまく伝わってきた。

その喜びの興奮のすぐ後、2人の運命は大きく暗転する。
この暗い事件は物語の全体を貫くキーポイントだけど、映画での扱い方は公開前から話題になっていた。
映画では、湾曲な映像をいくつか見せることで、何があったかを示唆していて、私は十分で、印象深い表現だと思った。 
これ以下だったら何がおきたかわからない、でもこれ以上は必要がない、という微妙な線をうまく選んだな、と。

AmirとHassanを演じる2人の少年は、素人のアフガン人で、この映画の前半を素晴らしい物語にしている。 
特にHassanの表情が、いい。

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でも、2人がこの裏切りのシーンを演じたことで、非常に不名誉だとアフガン社会で見られ、学校にも安全に行けないという懸念が生じたそうだ。 
そのため、映画の封切は学校が休みに入り、2人が(アメリカの?)安全な場所に避難するまで延期された。
(当初は11月公開予定が12月中旬に/ここ )
しかも、アフガニスタンでは、このシーンや民族対立の描写に問題がある、とこの映画の上映は禁じられているそうだ。

こうした経緯を読んでいたので、イスラム教徒にとって、この出来事は、「児童虐待」というより、むりやり「神への罪」を犯させられたことに対する恐れと恥辱であって、私が理解する以上に複雑に深い問題なのだろうな、と映画を見ながら思っていた。

映画の中では、イスラム教の価値観が何度も重要な役割を果たす。
アフガン人が難民となってアメリカに移り住んだ後も、彼らのイスラム教を軌範とした価値観は、生活を厳しく規定していて、私だったら息苦しいだろうな、と感じた。
彼らの価値観は、頭の中でわかっても、気持ちとして理解するのは、私にはとても難しい。
 
一方、イギリスの新聞Telegraphの評論では、このシーンの暗喩的な表現を、文化的なプレッシャーを受けて逃げた映像であり、これでは観客は事件の重大性を十分にわからないだろう、と低い評価をしていた。
どんな残酷な事件でもありのままに映像で見せないと、観客にはわからない、という考えなのか、とびっくりした。

余談だけど、びっくりしたと言えば、2月9日に日本で封切られる時の邦題が、「君のためなら千回でも」になっていたこと(ここ)。 
う~ん、違和感。

Kimi.jpg


「カイト・ランナー」というタイトルの邦訳本が早々に絶版になったので、もっと読者に響くように工夫したのだろうけど、もうちょっとなんとかならなかったのかなぁ。
Hassanの、使用人という立場に痛々しいほど徹する性格を思うと、「君」とよびかける会話なんて、少なくとも日本語で想像すると、とても違和感がある、と私は思う。

原作が好きな方にはぜひお勧めしたい映画でした!
関連のページ
原作 Kite Runner の感想 
2作目 A Thousand Splendid Suns の感想
  

コメント

私もこの本を読んでいて、映画化される話をきいていたのですが、もう公開されているんですね。電車のなかで読みながら泣いてしまったことを覚えているので、なんとなく「つらいだろうなー」と映画をみるのを躊躇しているのですが、Dillが「よかった」とおっしゃるなら、勇気を出してみてみようかな(笑)。主人公の男の子二人、かわいらしいですね。こんなかわいらしい子どもの「あの」残酷なシーンをみるのは、とくに映像としてみるのは、忍びないかんじがします。

なんでこんな邦題になったのか、私も不思議・・・

michiさん、

ぜひ見てください♪ お勧めします。
劇場で見られるなら、急がないともうそろそろ公開は終わりかもしれません。私の近所は、今週末から上映館がすっかり減ってしまいました。
楽しい、という映画ではないですが、でも映像はきれいだし、問題のシーンもとてもSubtleです。
ハンカチはきっと必要ですよ・・・・電気がつく時みんなきまり悪そうに、顔を伏せてました。

Kite Runner、洋書を読まれている方々のなかでとっても話題になっている本ですよね。映画にもなったんですね! 見たいなあ♪ 「残酷なシーン」があるのですか!? う~ん。 できるだけ先入観をなくして、物語に入っていきたいと思います(*^-^*)。そして物語の人々が心のなかに絶やすことのない(絶やすことのできない)神さまの姿が、何となく見えてくればいいなあと思っています。

nikoさん、

Kite Runner,神様について深くかんがえていらっしゃるnikoさんには、きっといろいろ思うものがあると思います。 アメリカでは12月中旬の封切だったから、きっとどこかでやっているのではないかしら? 
私は彼の2作目のA Thousand Splendid Sunsも好きでした♪

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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