英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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読んでは休み、休んでは読んでいた、Kazuo IshiguroのWhen we were orphansを読み終わりました。 不思議な本でした






When We Were Orphans When We Were Orphans
Kazuo Ishiguro (2001/03/05)
Faber and Faber

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主人公のChristopherはイギリスでケンブリッジ大学を卒業したばかりです。 幼いころ上海に住んでいた彼は、9歳の時、突然父が失踪し、続けて母まで失踪して孤児となってしまいます。 イギリスに住むおばに引き取られ大学を終了した彼は、ロンドンの高級住宅地Kensingtonに住み、友人に会ったり、パーティーに行ったり、と1930年代の華やかな上流階級の生活に身をおいています。


上海で失踪した父が帰るのを待ちわびていた幼い日、隣に住む日本人の少年Akiraと、父を探し出す探偵ごっこを繰り返していた頃から、Christopherは探偵になることを心に決めていました。大人になっていくつもの事件を解決し、探偵として名声を上げ、イギリス上流階級の寵児になります。そしてついに、上海に戻り、失踪した父と母を捜すことを決意します。


Christopherが一人称で語る物語ですが、彼の過信からくる幻想なのか、あの時代にはそういうこともあったのか、と煙にまかれるような記述がたびたびあります。舞台もあちらこちらに飛びます。つじつまがあわない会話がぽんぽん出てきます。 私がなかなかこの本の世界に没頭できなかったのは、こういう不思議な語りに、つっかかってしまったからだと思います。


Never Let Me Goで入念に練られた世界を読んだ後なので、この不協和音は、作者の力不足によるご都合主義なんかじゃなくて、意図的なんだろうな、と思いながら、どうしてこうなるんだろう、と理屈が合わないことの説明が欲しくなりました。 


最後に近づくにつれ、Christopher, 彼の養女Jennifer, そして彼を引き付ける謎めいた女性Saraという3人の孤児たちは、家族の中で育たなかったからこそ、家族のあるべき姿を理想化して、理想とは食い違う世界で、常識的には突飛な行動に出て行くということかな、と自分なりの説明をつけていることに気づいたのですが・・・・どうでしょう。


最後の真相が明らかにされるシーンは、暴力的な程の迫力があると思いました。それまでの現実か夢かわからない世界に、突然現実がつきつけられる感じがしました。


さて、前にも書きましたが、私はこの小説もAudio Bookと本を両方借りてきて、聞いたり、読んだり、聞きながら読んだりしました。 その時々、話しの流れと、私のこの小説への距離感によって、一番気に入った方法を取りました。  とりわけ、一時期、この本を数行読んでは、いつの間にか字面を追うだけになって、どうしても集中できなくなってしまった時は、Audio Bookにお世話になりました。 


Kazuo Ishiguroの世界に興味があったので、どうしても最後まで読み通したかったのですが、何度も数行読んでは中断して、もうあきらめようかと思いかけていました。 そうだ、無理やり読もうとしないで、ぼんやりでいいから聴いてみよう、と思い立ちました。 ちょうど季節は12月、何かとやりたいことがあり、まとまった英語読書の時間を取ろうとすることにも無理があったのでしょう。英語の朗読を聴きながら、アイロンがけをしたり、窓磨きをしたりしていたら、それが結構リズムに合って、いつの間にか、この話しの世界にもう一度入り込んでいけたような気がします。私が聞いたAudio Bookはさらっとした声の、男性の朗読でした。 一人称の物語りなので、イギリス人の打ち分け話を聞いている雰囲気があると思いました。 Akiraの役の時の声色は、私がイメージする日本人の少年とはちょっと違ったイントネーションだったので、気になったのですが、日本人が出てくると途端にあーじゃない、こーじゃない、と細かいことが気になる自分がおかしかったりしました。 イギリスに住んでいるうちにぜひ読んでみたかったKazuo Ishiguroの2冊目が終わって、彼の出世作のThe Remains of the dayも、Audio Bookといっしょに英語で読んでみたくなりました。上流社会の執事をめぐる話だと聞いているので、どんな英語が聞けるか、楽しみです。


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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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