英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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ミス・ポターから見えるビクトリア時代 その4


BeatrixNormanとの結婚を決心した1905年、彼女は30歳代後半(39歳?)、Normanとは4年もかけて、絵本の出版を通してじっくり恋を育てています。 恥ずかしがり屋の娘がようやくめぐり合った幸せに、両親は喜ぶかと思いきや、結婚に猛反対します。 ハンサムで(映画ではもちろん、実物の写真を見てもすっきり素敵そうでしょ?)、生活も豊かそう、しかも独身のNormanはどう見ても格好のパートナー、いったい何が不満で反対しているのだろうと、映画を見ていてどうにもピンときませんでした。そこまでNormanPotter家の身分が違うのか?というのが素朴な疑問でした。


Norman2.gif


Norman Warneとその甥Fred




「ポター家の娘はTradesmanとなんか結婚させられない」、という親に、「私たちの家族だって、コットントレードで財産を作ったTradesman の家庭じゃない」、とBeatrixが言い返す映画での会話もいま一つピンときませんでした。(Tradesmanって、商売人っていう感じの言葉でしょうか・・・?)


Beatrix-1894w.gif



お父さんのこの髪型がなんとも不思議(ビクトリア時代の最新流行だったらしいけど)
Ruper, Beatrix and Bertam Potter 1854


 


まずは、Beatrixの家庭って、映画ではあきらかに金持ちだけど、実際にどんななのか、彼女の伝記でちょっと具体的に調べてみました。
ロンドンの高級住宅街ケンジントンのBolton Gardensの閑静な3階建の大きな家に住んで、執事、奥様付の女中、洗濯女中、料理人、御者、ナニーなど、数人の使用人を雇っている、明らかにお金持ちの家庭です。


父親のRupert Potterは法律家の資格はあるけど、仕事をすることはほとんどなく、午前中に所属するクラブに行き、新聞を読み、紳士仲間と政治やら文化について語り合って、一日を過ごします。(Normanが結婚の申し込みをしに行くのが、このThe Reform Clubです。1832年創設、今もあるそうです。) 彼の趣味は写真、当時生まれたばかりの新技術にお金と時間をつぎ込んで、何でもかんでも写真に取っていたそうです。


母親は、自宅で友人を招いたり、招かれたりの社交生活をして過ごす・・・ビクトリア女王にちょっと似ていることが自慢だった、と伝記にありました。
ところで、Potter家の豊かな生活を支えているのは、Rupertの父親、Beatrixの祖父がマンチェスター地方でおこした綿花のプリント業で築いた財産です。 この祖父は貧しい家庭に育ち、一度は事業に失敗して破産しながら、奮起して事業を再興して、一代で財産を作った気骨のある苦労人のようです。財を成した後、国会議員になり、名士たちとの関係を築きます。


母方の家族も似たような出自で、やはりランカッシャー地方の綿花トレードで財産を作った家庭だったそうです。 父母それぞれが、トレードで成した財産を相続したから、Potter家は、働かずして豊かな生活を楽しめていたのです。


Cotton-Mill.gif


18世紀のCotton Mill 過酷な条件でたくさんの子どもも働いていた



ちょうど18世紀から爆発的に広がった綿花産業などの産業革命の時代の申し子の家系という感じです。


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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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