英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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 ミス・ポターから見えるビクトリア時代 その2


Beatrix Potterのロンドンの家は2番、Bolton Gardensです。ロンドンの西にあるこのあたりは、South Kensingtonとよばれ、1800年ごろは一面のFarmと果樹園だったところに、ビクトリア時代の盛りの19世紀中盤、豊かな家族向けの家が1000軒以上、一斉に建てられた地域だそうです。 今でもこのあたりを歩くと、ビクトリア時代の家がずっと続いています。


BoltonGardens.gif


Bolton Gardensの今 Beatrixの家もこんな感じだった・・・

Beatrix が育った家は、1940年にドイツの空襲で壊れてしまったのですが、家のあった通り、Bolton Gardenのほとんどでビクトリア時代の家がそのまま残っています。 2番がどこにあったのか、散々探したのですが、どうしても見つかりませんでした。ちょうどそのあたりに、こじんまりした小学校があったので、空襲で壊れた後、小学校になってしまったのかもしれません。


イギリス人は古いものが大好きだし、ビクトリア時代は憧れだし、家の外観も素敵なので、人気がある住宅地なのかな、と思ったのですが、ゴミ箱が外に出っぱなしになっている家がちらほらあったり、やや、ひなびている雰囲気。 入り口を見ると、数軒分の呼び出しベルがあるので、One Bed Two Bedsのアパートに改装されている家が多いようでした。


 BoltonGardens2.gif


Bolton Gardensのビクトリア時代の家 


150年前の家ですから、お風呂、台所、トイレなどかなり思い切った改装が必要だし、階段の上がり降りが大変、家の前には駐車スペースがない、と不便が多く、裕福な家族には、今となっては住みにくい家なのでしょう。むしろ、ロンドンの都心に近いので、ナイトライフを楽しみたい、若い独身やカップル向けの小ぶりのアパートにちょうどいいのです。


このあたりのような、ロンドンに建てられたビクトリア時代の家は、道に面してすぐドアがあり、3階建てが多かったようです。 ビクトリア時代の中流以上の家は、ほとんど同じ間取りで建てられました。1階と2階にはお客様を通す部分があり、Drawing Roomと呼ばれる客間、Dining Room、そして家族がくつろぐParlourなどがあります。家が大きければ、父親ためのLibraryや女性のためのMorning Roomもあったことでしょう。 2階と3階には夫婦の主寝室や客用寝室、そして3階に子ども部屋であるNurseryがある、というのが典型的な間取りです。


ロンドンの家をのぞいて面白いのは、どの家にも半地下があり、道からちょっとのぞきこめます。 地下は召使が主に使うスペースで、キッチンもここにあります。 召使達は、地下から3階まで、一日に何度も階段で上がり降りをしなくてはいけなくて、なかなか重労働だったとか。しかも召使用の寝室は屋根裏にあったりします。(小公女のセーラが孤児になって女中として使われていた時の寝室も屋根裏でしたね・・・)


 Underground.gif


地面にちょっとのぞくのが地下室の窓です。


Maidsupanddown.gif
クリスマスパーティーの時に地下はこんなだったでしょうね。



道に面してすぐドアがあるので、庭がないようですが、実は家の反対側に大きな庭があることが多いのです。Back Gardenと言います。 Google Map (こんな情報があるのは、びっくりで、ちょっと恐いけど)で航空写真を見ると、このあたりの家の裏側にゆったりした庭があるのが分かります。この地図を地図+写真のモードにして見るとBolton Gardensの雰囲気がちょっとわかると思います。


BackGarden.gif
最初の写真の家の裏側です。広い庭がついている家です



道の両側に車がびっしり駐車しているのが、なんともうっとうしいのですが、このあたりの家は馬車の時代に建てられたので、車庫がありません。裏庭にスペースがあっても、車は止められないので、こうした古い街並みでは、住居者に限って路上駐車ができるようになっています。 じゃあ、ビクトリア時代の馬車はどこに止めたの、と思ったら、こうした大きな邸街の端には、小さいMewという小道があります。昔はMewに馬と馬車を止め、御者が生活していました。Kensingtonを歩くと、今でもあちこちにMewが残っていて、小さい家に改装されています。


Mews.gif
Bolton GardensのMewです。


 


Kensingtonは自然博物館やビクトリア&アルバート博物館もある、ビクトリア時代の匂いの濃い地域です。 地震がなく、また戦争の影響が比較的小さかった(第2次世界大戦ではドイツが爆弾を落とし、ロンドンの子どもたちもたくさん疎開しましたが)という幸運に恵まれたとは言え、100年前の街並みがそのまま残っていて、現代のロンドンっ子たちがそこで今風の生活をしているのを見るのは、本当に不思議な気がしました。


 

コメント

お久しぶりです

Kensingtonといえばカズオ・イシグロの小説に時々出てくる地名ですね。
イギリスの地名はよく知らないのですが、(イギリス小説をあまり読まないせいですね)こういう地域なのですか。
古い家並みをきちんと保存しつつ、そこで生活している、歴史ある街ならではの景観ですね。
こんな街並みを一度歩いてみたい。


Dillさん、お久しぶりです。
またブログに戻ってこられたのですね。
お忙しい日々を過ごされていたようですね。
リニューアルのブログ、また読ませていただきます。
楽しみ!

リウマチばあちゃんさん、
さっそくコメントありがとうございます。
私もこの街を歩きながら、そういえばWhen we were orphansの主人公もこの辺に住んでいたんだっけなぁ、と思いました。 Kazuo Ishiguroもまた、このあたりを歩きまわりながら、あの時代のイメージを練ったのかもしれませんね。
ぜひぜひ、イギリスを歩きにいらしてください。

またいろいろな本の感想を読ませていただくのを楽しみにしています。

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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