英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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Jane Austenの若い頃の恋を描いた映画を見に行ったら、そこには、昨日まで読んでいた伝記, ”Cassandra’s Sister”のイメージとは全く違うJaneがいました。






映画の公式サイトはこちら



ロンドンから遠く離れた田舎に暮らすAusten一家の末娘、Janeはひときわ目立つ美貌をもつ情熱家で、ウイットのある会話でまわりを魅了します。このあたりで一番の資産家の相続人の男性に好意を寄せられているものの、地味であかぬけない彼との結婚にはどうしても興味がもてません。 あるとき、ロンドンで遊びすぎて伯父に頭を冷やしてこいと田舎に送り込まれた、ハンサムで押しの強い法律家の卵、Thomas Lefroyと出会います。 


傍若無人に振舞うThomasに、ウイットに富んだ答えを返すJaneは、間もなく、お互いに強く惹かれあうようになります。



 


映画の出だしから、思いがけない演出で、今までのイメージとは違うJaneを描こうとしていることがはっきり伝わります。


Anne Hathawayが演じるJaneは美しくて、情熱的で、イギリスの美しい田舎の風景の中で華やかで魅力的でした。 でも、田舎の狭い世界しか知らない夢見がちな彼女は、思い込みが激しいところもあります。そして、James McAvoyが演じるThomas Lefroyは最初はやんちゃな遊び人のイメージが強いのですが、やがて、恋をつらぬこうとするナイーブな少年のような一面をのぞかせます。 


でも、これはJane Austenじゃないだろうなぁ、というのが私の正直な感想です。この映画のJaneはあまりにもシンプルな考え方の持ち主で、古典とよばれる(まだ1冊も読んでないのですが)小説を描くような、人への深い理解があるようには、とうてい感じられない。 たとえば、求婚者の地味な男性は、誠実でJaneに深い理解があるように見えるのに、ダンスが踊れないことや、機転のきく会話ができないことで、真摯に彼にむきあわず、それどころか、彼を傷つけるわがままな行動も。
Janeの小説の登場人物にはなれても、深い洞察や愛情をもって登場人物を書ける女性には、とても思えない・・・


映画の製作者が、イギリスの美しい田園を背景に、この配役で、あんな時代の衣装を着せて、こんな恋を語らせたい、とあらかじめイメージを決めて、それからJane Austenの名前を借りてきたんじゃないかな、そんな風に感じながら映画を見ていました。 私ですら史実じゃないとわかる、作り上げたシーンがいくつかあったのも、Janeには思えないという感想を強くしました。


この映画はどんな評価を受けているか、イギリスのサイトを読んでいたら、イギリスの新聞Telegraph批評が面白かったのでご紹介します。
実はこの映画、TennagaerJane Austenブームをおこさせることを狙っているのだそうです。今年はイギリスでは映画とテレビをあわせてJane Austen関連で6本の作品が計画されていて、出版社も、彼女の6冊の本をTeen向けに表紙を改訂して、売り出すそうです。 映画製作者のインタビューによれば、Anneを起用したのは、ディズニー製作の映画The Princess Diaries”(本の感想はこちら)で彼女を知った当時11歳ぐらいだった少女たちが、15歳になった今、Anneが演じるJane Austenに魅せられることがわかっていたからだそうです。 
そのため、物語も現代風にして、今までのイメージからの脱却を狙ったそうです。うーん、歴史上の人物の物語を面白くするために、どこまで作り事を入れてもいいか、というのは作家や製作者の姿勢の問題だからなぁ。恋愛を主なテーマにした小説を描きながら、独身を通して41歳で亡くなった彼女だから、若い時代にこんな情熱的な恋愛の経験があったらいいな、という素朴な期待感はわかるような気もするけど、私は、静かで抑えた生活の中でじっと周りを観察して、小説を書いた、という従来のJane像に一票。


これを見たのは、イギリスでの封切2日目の土曜日、午後2時の回でした。 観客は6割入り、その7割程度は中年以上の女性で、エスコートして来たやや年配の男性がちらほら。 ティーンは、一割いたかなぁ。。。後ろに座った年配のカップルの男性が、時々、ちょっとこれは、というような皮肉のこもった小さい笑い声を上げていたのが印象的でした。


商業目的が先行した映画で、Jane Austenの本当の姿をゆがめている、と怒っているJane Austenの熱烈なファンも多いということを、こちらのブログで教えていただきました。


 


昨日の本のEpilogueによれば、Janeと仲が良かった姉のCassandraは、Jane41歳で亡くなったあと、28年長生きしたそうです。彼女はJane のプライバシーを守るために、見つけられる全てのJaneの手紙を燃やしてしまったそうです。そのため、Janeの作品以外に、彼女自身の生涯を知る方法はとても少ないそうです。 41歳という若さで亡くなった、田舎の奥深くに住み私生活がほとんどわからない偉大な女流作家、ということで、多くの人の想像を掻き立てるのでしょう。



 


映画の英語は比較的難しかったと思います。 ストーリーを追う部分はシンプルでわかりやすいのですが、JaneTomのウィットのきいた駆け引きや、Janeの小説からの引用(と思われる、何しろ未読ですから)の部分は、かなり手ごわいと思います。それからいつものことですが、イギリス人が笑うところで、おもしろさがわからずきょとん?ということもありました。 英語の聞き取りとしては、Miss Potterの方がずっとわかりやすいと思います。


 

コメント

becoming Jane

色付きの文字
オーストラリアはメルボルンから、おはよーございます!

この映画見られたんですね。
Austenファンの書いた批評記事だと酷評だらけなので、このように中立な立場の方の意見を見るのも新鮮だし目からうろこです。
よければTB下さいね。

他にもいくつか記事を拝見しましたが、Dillさんはどれもわかりやすく丁寧に記事を書かれてますよね。私も見習わなければ・・・!

あと、一つ前の記事へのコメントで申し訳ないのですが、AustenのP&Pは難しそうという方へ…。
個人的にはBBCのドラマ版から見ると入りやすいかも、と思います。自分がそうだったので。
セリフが聞きなれない英語なので最初は難しいと思うかもしれませんが、ドラマ版はお話の流れについていきやすいし、DVDだと英語字幕で見られるはずです。
私はこちらのABC(BBCの豪州版^^)で毎週再放送していたのを見始めて、次の週まで待ちきれなくて本を読み始めたんです。それにこのドラマ版も楽しめます。

ま、余計なおせっかいはこのくらいにしておきます…。


DillさんのこんなにかわいいBlogと出会えて嬉しいです。それにイギリス在住だなんて、うらやましい!!!
いつかイギリスへ行って古い邸宅めぐりをするのが夢です…。

ではでは、またお邪魔しますね(^O^)/~~

Kさん、こんにちは
なるほど、BBCのドラマから入るのも、よさそうですね。このドラマは評判がいいので、私もいつか見ようと思っていました。
イギリスの古い邸宅まわりに、ぜひお越しください! 私も来たばかりの頃は、本当に目を白黒させて感心しました。 素敵!ゴージャス!でも所詮、知識があんまりなくて、どこか間抜けな見方をしていたような気がします。 この頃は時間がなかなか取れないのが残念です。
イギリスに住んでいると、あちこちにビクトリア時代のイメージが残っていて、この時代について知りたいという気持ちをずっと持っていたので、今年はぜひ、その望みをかなえたいです。また色々教えてくださいね。
オーストラリアは夏の終わりなのですね。 以前家族で無人島のホテルにのんびり滞在して、あまりにも楽しく、いつかまた行きたいと思っています。
また遊びにうかがわせていただきますね。

気になります

Dillさん、おはようございます。
下の記事とあわせて読んで本も読んでみたいし、映画も観たくなりました。Anneシリーズを書いたLucy Montgomeryにしろ、私は今頃ようやく作者の生い立ちに興味を示すようになった感じです。
またしてもPride and Prejudice,途中で読みかけになってます…。私はすでにドラマも映画も観て下準備は万全のはずなのに!
Dillさんの記事を読んで俄然読む気になってきましたが、今度は読破できるでしょうか…。

Hazelさん、
記事にも書いたのですが、今年は出版・放送・映画ビジネスがそろってJane Austenを売り出す予定らしく、今日買った来週のテレビガイドの表紙もJane Austenで、おおやってるなぁ、という感じです。 ここは、大人らしく(笑)、乗せられるわけでもなく、でもいい機会なので楽しんでみようと思います。カナダにもJane Austenのドラマが行くのではないかしら?

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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