英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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1877年に、イギリスの女性によって書かれた「馬の自叙伝」。
出版されるや、すぐに大ベストセラーになった、最初の本格的動物物語とか。
日本では「黒馬物語」として知られる、子どもの古典名作です。



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Year and illustrator unknown, Philadelphia




ビクトリア時代のイギリスの牧場に生まれた、
美しい黒馬、Black Beautyは、やさしい母馬から、
一生を幸せに過ごすには、ご主人の言いつけをよく聞き、
いつも、勤勉に働くように、と教えられます。


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Year and illustrator unknown, Philadelphia




気ままな仔馬時代から、一転、仕事ができる力がつくと、
口には轡、足には蹄鉄、背には鞍を乗せられ、
不安な気分もつかの間、さっそく調教をうけ
背に人を乗せたり、馬車をひっぱることをおぼえていきます。

最初は上流紳士の厩舎で、
大事に世話をされてご主人に仕えていたのですが、
やがて、さまざまな事件にあい、
怪我をしたり、年をかさねていくにつれ、
ロンドンのタクシー馬車を引くまで
馬の階級社会(?)を落ちぶれていき、
酒浸りのタクシー御者の生活も垣間見たり・・・、と
激動の馬(人)生。


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Year and illustrator unknown, Philadelphia




そこに、馬を愛おしむ、作者の語り口がのぞくのですが、
動物愛護におなじみの私たちには目新しくなくても、
あの当時、馬の気持ちを考えるなんて、
画期的だったそうです。
それが、あっという間にベストセラーというのは、
イギリス人の馬好き、動物好きに、ぴったりはまったのでしょうね。

作者のAnna Sewelは、14歳で足の怪我をして
その後遺症で、自由に歩けなくなってしまい、
ずっと馬車に頼ることになった中で、
馬に特別な愛情を抱くようになったそうです。
この本は、一生独身だった彼女が50代後半で初めて書いた
本ですが、出版後の成功の中で、5か月後に亡くなります。


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Lucy Kemp-Welch, London




ところで、この前、BBCで
At Home With The Georgiansという、
ビクトリア時代の前、1700年代後半の上流階級の、
個人生活の内側をのぞき見る、という番組がありました。

紳士たちが、家を繁栄させるにふさわしい妻を探す苦労話、
女主人たちがインテリアに凝りまくって、壁紙やら、
調度品に贅沢を尽くす話など、
人様の生活をちょっと覗き見る楽しさがあったのですが、
上流階級の家計、それも夫の出費と妻の出費を比べる話しも、
なかなかおもしろかったです。

それによると、たしか、夫一番の大口出費が、
馬と馬車をかっこよく維持するための経費でした。
その当時の金持ちの男性にとって、
今の男性が高級車やスポーツカーに凝るように、
馬と馬車は、男の夢とステータスの象徴だったそうです。

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Year and illustrator unknown, Philadelphia



この物語で、馬のみばえや奇妙な流行に凝る男性たちの姿が
なるほど、と納得でした。

英語は淡々としていて、やさしいので、
わかりやすい本だと思います。
短い章にわかれているので、それも聴きやすいです。

そして、朗読してくださっているCoriさんが、
透明でやわらかく、素敵なイギリス英語です。
今まで出会わなかったのですが、
このCoriさんは、LibriVoxの人気朗読者の一人で、
このほかにもたくさん朗読をしてくださっているようです。


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Year and illustrator unknown, Philadelphia



イギリスの子どものファンタジーの世界を、
初めて作った、Charles KingsleyのThe Water Babiesも
ソロで朗読してくださっています。
Jane Austinが14歳で書いた幻の処女作、
“Love and Friendship”
(JAらしいタイトル! ぜひ聴いてみたいなぁ)
とか、ナイチンゲールのメモワールやら、
Nesbitの自伝とか、なかなか面白そうな本もソロで
読んでくださってます。

動物好きに、とりわけおすすめです。

LibriVoxのファイルはこちらで

この本も、昔は岩波少年文庫に入っていたそうです。
「LibriVoxで聴ける子どもたちの古典のリスト」(ここ)に追加しておきます!

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Lucy Kemp-Welch, London

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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