英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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先週、LibriVoxのForumで、日本語の朗読をしたいとスレッドをたて、
それから何度かメンバーとやりとりして、LibriVoxに惚れ直してます(笑)
ほんとうに、いいなぁ、このグループ、と。



farm.jpg
記事とは関係ないのですが、ウチの近所の農場です。





tadoku.orgの掲示板で知り合った方といっしょに朗読をすることになり、
まずは、LibriVoxの掲示板に「日本語短編集を作りたいです」と相談したら、
ぱたぱたとアドバイスや提案をもらいました。


まずは、最初から自分たちだけでAudioBookを作るのはちょっと難しいから、Multilingual Short Work Collectionに参加するといい、とドイツのメンバーからアドバイスがありました。私の住まいと同じイギリスのケント州のメンバーからも、メンバー登録のアドバイス。 LibriVoxでは、多言語による短編集が新たに企画されて、マイナーな言葉の人が飛び込みで気楽に参加できるように工夫したようです。確認したらブラジルのメンバーがまとめるプロジェクトで、今はアラビア語とエスペラント語の作品が登録されています。ここまで進展するのに、ほんの数時間。


次に日本語の作品の版権について質問しました。最初はアメリカの版権情報(日本とは違う)がポストされたのですが、その数分後には、日本の版権についての詳しい確認がイギリスのメンバーから入りました。その詳しさは、法律の専門家なのかと思うほど。
ともあれ、日本初版の出版物は、1954年末日までに亡くなった作家の、1954年末日までに出版された作品であれば、アメリカでは版権が切れているのでLibriVoxで読めるとわかりました。


最後に一分間テストのルールに従って、日本語をテスト録音してデータを送ると、マイクやソフトの設定はOKだけど、こうやってボリュームを直してごらん、とほんの1分後には、とても親切なメッセージが届きました。こちらは、カナダとイギリスのメンバーから。




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農場の果樹園で。かわいいけど、あんまり甘くなかった・・・




さらには、日本語と英語の対訳プロジェクトをやらない、という提案が、2人のアメリカ人からありました。源氏物語(おお、あの古文がどんな難しいか、知っているの?!)と、明治時代に輸出されたちりめん絵本の英語版と日本語の対訳、そして、ラフカディオ・ハーンの、「霊の日本」の英語日本語交じりの章の朗読のお願い。

ラフカディオ・ハーンは、私も「耳なし芳一」の入った怪談を楽しんだ(感想はこちら)、明治期の日本を愛したアイルランド人。彼の仏教に関するマニアックな本を朗読しようと奮闘してくれているアメリカ人の意気に感じて、それも引き受けることにしました。
私は英語は読みたくない(読めない?)ので、日本語だけにしたいとコメントしたら、いやいや、発音はどうでもいいから英語もいっしょに、と言われたけど、やっぱり私は嫌よ、といろいろ考え、結局、今週たまたま学校がお休みの14歳の息子を口説いて、ジョイントで読むことにしました。英語は彼が、日本語は私です。
息子といっしょに何かするというのも、めったにないので、彼はぶつぶつ言っていますが、私なかなか楽しんでます。

この章を読むにあたり、せっかくだから正確に発音したくて、ラフカディオが書きとめたローマ字の100件ほどの明治時代の仏法やことわざを、日本語でチェックしました。すると、ちょこちょこと音の書き間違らしいのがあるのも、微笑ましい。ラフカディオが奥さんたちの言う日本語を聞いて書きとめたとき、少しだけ聞き間違ったのだと思います。もう100年以上前になくなったラフカディオを身近に感じました(笑)。





pear.jpg
これは、甘かった。 





まぁ、小さいことを細々書いたのは、インターネット上の善意のグループって、みんなの熱意がうまくかみあうと、すごいし、いろんな経験をくれるな、と感心したんですね。
私も時々うかがうtadoku.orgも、親切で熱心なメンバーが集まって、楽しく勉強しあうコミュニティになっていて、いいなぁ、と感心します。 でも、参加型のコミュニティって、メンバーが増えて多様化すると、運営はどんどん難しくなっていくと思います。 LibriVoxは熱心なメンバーを、文化が違う世界中の国から集めて、しかも専門的な知識を、適材適所で生かしながら、みんなで親切でお互いを尊重しあう“Community” を作っていて、とても興味深い。



息子がメンバーに登録する際に知ったけど、LibriVoxのメンバー登録はちょっと手間がかかるようになってます(2年前に私が登録したときは、シンプルでした)。インターネット上で登録フォームに記入して送信するだけではなくて、その後、登録したアドレスにe-mailが届いて、「我々はスパムとの厳しい戦争をしているので、手数をかけるけど、入会のきっかけを詳しく書いてメールで送ってくれと」、確認がきました。
そこで、メールを送って、めでたく登録終了。メンバー申請を、こんな風に一件ずつ人手をかけてチェックするのはとても面倒だけど、そうやって厳しくすればこそ、フォーラムをフレンドリーに保てるのだろう、と納得しました。商業目的のメッセージは即刻削除だそうで、中心メンバーがフォーラムをかなりしっかりチェックしているらしい。



Apple 2010
こちらは、クッキング用のリンゴ。






このコントロールの加減は難しいと思うけど、LibriVoxは「版権の切れた作品の朗読をできるだけたくさんPublic Domainで提供する」というシンプルでパワフルな基本目的があり、しかもその朗読が多くの人を楽しませているから、うまくいっているのでしょう。


そして、ちらっと目にとまったのが創立者、Hughさんのメッセージ。「このコミュニティは、みんなボランティアでやっている、完璧じゃないけど、みんないっしょうけんめいやっているんだ、その精神を尊重してね。Be Nice Policyを守ってね」、と。Hughさんを中心に、世界中から集まった熱心なメンバーがAdmin Staffというグループを作り、そこでLibriVoxの運営方針が議論され、役割分担が行われているようです。世界中に散らばる彼らが物理的に集まる機会はなさそうだから、メーリングリストみたいなものをうまく使って英語で読み書きして、議論しているのでしょうね。


なるほど、メンバーたちの熱心な協力で、こんなコミュニティが運営され、英語で1万件、ドイツ語1000件、フランス語、中国語500件という朗読が、ボランティアたちの参加で集まってくるのだな、と感心しました。 今フォーラムの登録メンバーは、2万人を超えています。




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ほうれん草は、日本とちょっとちがう。






こんな風に熱いインターネットの組織は、実は世界中にいっぱいあるのだろうな、と想像をめぐらしました。 LibriVoxに目的が似たものではGutenbergもあるし、日本には青空文庫がある。 IT関係には山ほどこういうサイトがありそうだし、日本だっていっぱいある。 Mixiもすごいし、いろいろ問題アリだけど、2チャンネルもパワフル。 世界的と言えば、私も遅ればせで最近Facebookに入って、20年近く前の友達にざくざくめぐり合って、インターネットパワーに、感心しました。こうしたパワフルなインターネット上の組織の多くが商業ベース(Googleとか!)だけど、非営利団体もこうして世界中をかけめぐるパワフルな組織になるのが特に面白い。



日常的にお世話になっているWikipediaも非営利団体で、ボランティアによる記事の執筆でなりたっているのですよね。 Wikipediaは他者の著作の侵害や、良心的な紙メディアの経営の圧迫など、課題や懸念はあるけれど、全体としては、信頼性もかなりあるし、使いやすいし、素晴らしいプロジェクトだと思います。
その舞台裏の苦労はさぞ大変なんだろうな、Wikipediaを良質で善意の共同体として育てるために、多くの人のが莫大なネルギーと時間を費やしているのだろうな、と今さら初めて思い至りました。


Wikipediaもかなりのお金がかかっているのでしょうが、LibriVoxも信頼性の高いサーバーの確保などでかなりの資金が必要で、一時募金をつのっていました。(Wikipediaでも確かそんなことがあったような・・・)。 でも、太っ腹の募金があって、しばらくは資金の心配をしなくてよくなったそうで、そんな寄付のカルチャーが非営利のインターネット活動を支えているのですね。




chaib.jpg
スイスチャイブというのですが、茎の色がきれい。春先にはサラダになります。





LibriVoxはカナダ人のアイディアから始まり、英語が共通語ですが、大雑把にみると、アクティブなメンバーは、アメリカが60-70%、イギリスが20%ぐらい、あとはドイツなどのヨーロッパや、カナダもけっこう多いかな。 アジアからの参加がそれに続き、ちらほら、いろんな国の名前があります。たまに見るのが南アメリカとアフリカの国の名前。
インターネットだから顔は見えないけど、国籍も、年齢も、職業も違う本好きが集まっている様子をイメージすると、なんか愉快だな、と感心します。



このフォーラムは英語なので、こっちは苦労してかしこまった英語で書いていると、楽しげな英語の返事がつくので、もうちょっとカジュアルでしゃれた英語が書けるようになりたいなぁ、と思ったりもします。



つくづく思うのは、インターネットを利用して、今までにないような共同作業が国を超えてあちこち進んでいて、この力が社会を本質的に変えていくんじゃないか、ということです。私はたまたま英語の朗読が好きなのでLibriVoxに出会ったけれど、いろんな分野で、革新的で良質なコミュニティが、営利、非営利で育って、その世界を変えていく大きな力になっているのだろうな、と。(もちろん、その反対の、悪質で、おぞましいコミュニティも育っているのでしょうが、そっちは、今は横においておいて・・・)


LibriVoxのほかにも、楽しい国際コミュニティをみつけて、参加してみたくなりました。私としては次に、世界中の英語の先生の集まるコミュニティとか、英語を使って世界中の小学生や中学生たちが学びあうコミュニティを見つけてみたいです。何かご存知だったら教えてくださいね!


さらに欲を言えば、こういうインターネットの組織の中で、日本発のアイディアや知恵も、世界に広がって、世界中の人の生活を豊かに、楽しくするともっとうれしいな、と思うのです。だから、世界共通語の英語の勉強は大事だよ、と子どもたちに・・・と今はそのことばかり考えている私は、そういう結論に向かってしまいます(笑)




chibe2.jpg
あれこれちょっとづつつんで、自然を歩いて、イギリスの農場(Pick Your Own)は楽しいです。



コメント

素敵!!

素敵ですね。国境を越えた共同作業。それに、参加できる可能性が誰にでもあるなんて、ホントに想像の域を超えてます。(しかし、英語が母国語の人にとってはそれほど難しいことでないのが、ちょっと悔しいです)
でもね、一番羨ましいのは、国境を越えた・・ではなくて、家庭内の共同作業・・。いいな、息子さんと一緒に何かできて。しかも、一生残る・・。
これからの展開を楽しみにしています。

本当に素敵です

LibriVoxもDillさんも素敵です。
Tadoku.orgでDillさんがLibriVoxでの朗読仲間を募っていたのを知っていたのですが、現在は声を使う仕事が多くて声帯がオーバーワーク気味で手を挙げられませんでした。朗読は大好きなので、いつか私も日本語朗読に是非参加したいです。
それにしてもLibriVoxのことは善意の団体程度にしか思っていなかったのですが、あれだけのものを作り上げるには多くの人の知恵と労力と善意が使われているのですね。
Dillさんの記事を読んでいて感動しました。
世界って広いけれど、インターネット網が発達して色々なことが可能になった現代では昔ほど広く感じなくなりました。そして世界とのコミュニケーション手段は「英語」なのですね。考えさせられます。
なんだか取りとめのないコメントですみません。

Re: 素敵!!

> 素敵ですね。国境を越えた共同作業。
ほんとうに、インターネットのおかげでいろんなことが可能になって、びっくり。 こうやって、ブログを通して日本語で世界中に散らばった日本の方と知り合えるのもすごいし、それが英語になったらなおたくさんの方と知り合えるのですよね、面白いです。

> でもね、一番羨ましいのは、国境を越えた・・ではなくて、家庭内の共同作業・・。いいな、息子さんと一緒に何かできて。しかも、一生残る・・。
エコーさんのところは、もうお子さんが独立していらっしゃるのですね。 私は今は、ついつい文句ばっかり言ってしまっているのですが、娘も息子もいなくなったら寂しいだろうなぁ・・・


Re: 本当に素敵です

sunsetさん、こんにちは。

ええ、おぜひ時間ができたら、いっしょに何か読みましょう。 私も、読もうかなと思って、実行するまで2年もかかってしまったので、気長にsunnsetさんが声をかけてくださるのをお待ちしてます!

英語って、もうグローバル語ですよね。 ヨーロッパはEUのおかげで人の行き来が自由なせいもあるのでしょうが、英語を媒体に、コミュニケーションが国境を超えることがどんどん増えいる感じがします。 もちろんヨーロッパ言語は親戚通しという利点があるので、アジア人にはハードルはもっと高いのですが、やっぱり英語で国際社会は動いていくのだろうな、と感じることが多いこのごろです。

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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