英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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ちょっと寄り道で、BBCで最近放映された教育に関するテレビシリーズをご紹介します。
今書いておかないと、忘れてしまうし、今ならiPlayer(イギリス在住の人に限定された、インターネットで見るサービス)で見られたり、再放送の予定もあるようなので、イギリス在住で見逃された方はぜひ。
イギリスの教育も悩んでいる、というテーマです。



1997年、43歳の若さでトニー・ブレアが首相になった時、この政府の3つの優先課題を問われ、
“Education, Education and Education”と言ったのは有名な話です。


ブレアさんが、若いですねぇ!

あれから13年、教育に多大な投資をしたにもかかわらず、イギリスの教育の問題は深刻になりこそすれ、改善されていないのではないか、というのが、イギリスの多くの人の認識のようです。 少なくとも、このシリーズの番組で、ナレーターはそう問いかけていました。

イギリスの教育の一番の問題は、Social Gapあるいは、Social Mobilityがないことだと、メディアの報道を見ていて思います。噛み砕いて言えば、金持ちの家に生まれた子どもは、いい教育をうけ、いい仕事を得て、社会的に成功するチャンスが高いのに、貧しい家に生まれた子どもは、いい教育を受けられないために、成功するチャンスが小さい、つまり貧富の差が教育の不平等によって、固定化しているということです。

もともと、イギリスは階級社会で、その階級が今でも根強くあるというのは、イギリスに住む日本人が一様にびっくりすることで、この階級というものは、いくら議論しても終わらないほど奥深く、私にはいまだに謎の多い問題です。

教育に絞って言えば、貧しい子どもたちの問題も大きいのですが、それ以上に、社会の中心をしめる中流階級の子どもの教育が大きな問題だと議論されています。 イギリスには大きくわけると私立と公立があるのは、日本と同じですが、イギリスの私立教育はとんでもなく高くつくのが現実です。 小学校で年間150万円ほど、中学では200万、伝統校などは300万近く、寄宿舎に入れば400万円を超えるという学費を、14年間払い続けなければなりません。 このイギリスの私立の教育は世界的に非常に高く評価されているのですが、イギリスでこうした私立に通えるのは全体の10%に届きません。 

ほとんどの子どもは公立に通うのですが、原則的にどこに住んでいるかで学校が決まるため、学校を選べる余地は非常に限られていて、親にとっては深刻な問題です。 いい学校のある地域の住宅は高価で、いい住宅地に住めなければ、評判のいい学校には通えないわけです。 貧富の差の激しいイギリスでは、貧困、アルコール・ドラッグ依存、失業、収入のないシングルマザーなどの親の問題で、子どもの教育にまで関心を払えない家庭が少なくありません。 同時に、イギリスの都市部には、外国から移り住んだ家族が多く、ロンドンなどでは30%以上の子どもが、英語が第一言語ではない、という学校が多くなっています。 こうした課題にエネルギーをとられ、授業の中身にまで手がまわらない、Academic Performanceが低迷するという問題を抱える学校が多く存在します。

中流階級は、教育を重視する家庭が多いので、子どもに優れた教育をうけさせようと必死になるわけです。 この辺の深刻さは、私が東京に住んでいたときに娘と感じた、中学受験の悲壮さと同じだなぁ、とこのごろになってやっと私にもわかってきました。 イギリス人は一見冷静そうに見えるので、イギリスに住んで最初の数年は気づかなかったけど。

イギリスは地域によって学校制度が違うので、一部には住所に係わらず、入学試験の成績だけで生徒を選ぶ、グラマースクール制度がある地域があり、そこでは小学校最終学年の11月にあるイレブン・プラスの試験で熾烈な競争があります。 10-5人に一人の合格を目指し、個人教授が大流行です。  一方、グラマー制度のない地域、あるいは、そこまで熾烈な受験に懐疑的な親は、いい学校のある場所に引っ越すか、そうでなければ、どうしているか・・・?


The Big School Lottery
 
10月11日の朝3時にBBC1で再放送その後、iPlayerに再登場?

ロンドンの北、バーミンガムでSenior Schoolに進学する、小学校6年生の子どもとその家族を追ったドキュメンタリー。 グラマースクール受験に向けて受験勉強に励む家庭、そして、合格する子、合格しない子、小学校のクラスでたった一人の白人だった男の子の家庭の中学校選択、そして学校を決める行政側の苦悩・・・中学校の選択を、Lottery(宝くじ)にたとえています。

Unequal Opportunities with John Humphrys  
中流階級の親であるレポーターが、学校格差を取材して、現在のイギリスの学校がかかえる問題を問いかけます。
経済的に貧しい地域の幼稚園で、そこの子どもは3歳の時点ですでに、言葉の発達が平均で全英より1年遅れている、というショッキングな証言から始まり、いかに経済格差が学校格差、教育格差を生んでいるかをまずレポートします。 一方で、学費の高い私立の恵まれた環境を紹介した後、底辺校とよばれた学校を建て直す努力をしている校長たちが登場します。 最後に現政権が、学校格差を縮める決定策として推進する、各学校に予算と自治を委譲して再生を図るアカデミー政策がうまくいくだろうか、と疑問を提示します。

Start Your Own School
自宅の近くに自分の子どもを通わせたい公立中学校がなく、私立にも通わせたくなければ、どうするか。 自分で新しい学校を作ってしまおう。 今年初めてイギリスで16校の計画が認可された、Free School(行政以外が主体となって作る学校)のひとつの、認可までの道のりを追ったドキュメンタリー。 作家でジャーナリストのTobyが、自分が求める、伝統的な価値観を重視する学校(私立には多いけれど、公立には少なくなっている)を、親たちで作ろうとするが、その道のりは険しかった・・・

Gareth Malone's Extraordinary School for Boys 
10月11日月曜までiPlayerで見られます

イギリスの小学校でも、女の子より、男の子が、本を読んだり、書いたりすることに苦手な子が、はるかに多い。エネルギッシュで才能に溢れたChoir Master Garethが、ある小学校で男の子だけを集めて、ひと学期、読みと書きのクラスを指導するという実験を追ったレポート。今までは、普通の公立中学校に合唱団やミュージカルを伝道したGarethが、今回は畑違いの英語の教育に、どうチャレンジするか。 鍵は、お父さんたちを巻き込んで、男の子に読みの楽しさを感じさせることでした。


Britain's Youngest Boarders
  
10月8日金曜までiPlayerで見られます。

一転、私立の中でも特にExclusiveな(限られた人だけのための、つまり超お金持ちのための)Prep-Schoolを舞台に、初めて家を離れ、寄宿舎に入る7-8歳の子どもたちを追ったドキュメンタリー。 私立Senior Schoolの超伝統校、イートンスクールの受験の様子も見られます。 日本人の私としては、香港から、親元を離れて寄宿舎に入った10歳の少年の自信に溢れた様子が特に興味深かったです。 

コメント

Dillさん、お久しぶりです。コメントを、と思いながらも、なかなかじっくりと書けずにいました。どの記事も興味深く読ませていただきました。書きたいことがたくさんあってまとまらないとは思いますが・・・・まずは博士論文に挑戦されるとのこと!ただただ素晴らしい!の一言です。お子さんの宿題のエッセイをずっとみていらっしゃって、それがご自分の関心につなげていかれて、現在の研究関心になっている・・・というのが、本当に素晴らしいです。夫にDillさんのお話したらWow, Cool!と申しておりました(笑)。娘が学校にいくのはまだ当分先の話ですが、「英語と数学の宿題は夫に任せよう」などと言ってたのですが、Dillさんのお話を読んで考えを改めたところです(笑)。夫に、イギリスの学校ではエッセイを書くトレーニングが徹底してるんだって?と聞いたところ、アイルランドもやはり同じようで、夫がLeaving Cert(イギリスのOレベルとかそんな試験でしょうか?学校を卒業するときに受ける試験で、得点でいける大学を決めるものですが・・・)では、シェークスピアの悲劇と喜劇の分析だったそうです。ただ、読むだけではなくて、前から後ろから、横から、裏から・・・・と、あらゆる議論を想定して読み込むことが求められるそうで、学部生のエッセイのような難易度ですが、これをやったおかげで、大学に入ってからエッセイを書くのに役に立ったといっていました。

娘の学校はまだまだ先の話・・・といいながらも、やはり私たち夫婦の間で、教育のことが話題になります。いつまでエディンバラに居るか分からない、アイルランドにいくことになるかもしれないし、ほかの国に・・・と落ち着かないのですが、やはりいい教育を与えたいというのはどの親にとっても共通の願いだと思います。娘が学校に行く年齢になるころには、どこかに落ち着きたいというのが希望ですが・・・

とりとめなく書かせていただきましたが、Dillさんの新しい挑戦、心より応援しています。残念ながら、あまりお役には立てないかもしれませんが・・・・でも、Dillさんのかんがえていらっしゃること、よく分かります!私自身が留学したころの英語の苦労を思うと、やはりきちんと論理的に書ける訓練をしておきたかったなぁとしみじみ思います。

michiさんへ

こちらこそ、ご無沙汰してました。 引越しで、荷物の多さにほとほと疲れたりしてました。
お子さんとの生活楽しそうですね!

そう、Education! 親になると、本当に悩ましい問題です。
ウチは、たまたまグラマーのある地域で、息子はそこに滑り込んで、とても幸せに学校に通っていますが、不況風がふきはじめ、グラマーは格段と難しくなったという噂です。 この国では偏差値がなくて、リーグテーブルだけなので、自分の子どもの力を相対的に見る尺度がないので、困り者です。 (あ、偏差値がいいとは思わないんですよ。。。でもないと不便とも知りました)難しいというのが、どんな難しさで、自分の子どもが圏内なのか、圏外なのかは、先生のコメントに頼るぐらいで・・・あとはママたちの井戸端会議が情報源ですかねぇ。でも、最近会ったイギリス人の元先生には、グラマーは利己的で、問題の多い制度だ、他の学校を犠牲にしている、と言われて、はっとしました。 そうか・・・・確かに。  一方で、私立の学費の高さは、ため息ですしね・・・

michiさんは、ご主人という英語の大黒柱がいらっしゃるからうらやましい。 ウチは、親が2人とも生粋の日本人なので、????なことが一杯ありました。 でも小学校の英語なんか楽しいですから、michiさんもぜひ。 それに、日本語も教えてあげるのででょ?それも楽しいけど、それなりに悩ましいですよね・・・ 私の憧れのご主人さまにお褒めいただいて、恥ずかしいです(笑)


ところで、突然思いついたのですが、michiさん、よろしければ、私のもっている日本語の絵本をもらってくださいませんか? 本好きのmichiさんの家に養子にいければ、本も喜びそう! もしご興味があればメールフォームから、メールください!

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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