英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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イギリスは30年ぶりの寒波が居座り、
ロンドン郊外も、毎日雪が舞っています。
一番寒いこの季節、雪国ロシアの昔話を選んでみました。


RUssian.jpg
ロシア民話と言えば、
火の鳥に、魔女バーバ・ヤガや、イワンのばか などが大活躍。
絵本では、「おだんごぱん」と「おおきなかぶ」がベストセラーですね。
民話集としては、トルストイがまとめたものが有名なようですが、
LibriVoxにはまだ登場していません。



LibriVoxに登録されているロシア民話は、
イギリス人ジャーナリストで、
湖水地方を舞台に、子どもたちが湖を船で冒険する、
「ツバメ号とアマゾン号」シリーズを書いた
アーサー・ランサムによる再話、
“Old Peter’s Russian Tales”です。


Russia9.jpg


ロシアの森の小屋に住む、女の子と男の子が、
Peterおじいさんにせがんで昔話をしてもらいます。
イギリス人が、イギリスの子どもたち(と子ども心をもった大人)のために書いたので、
ロシアの農民の口承の世界から離れたところもあるでしょうが、
端正な英語の、聴いて楽しい作品集です。



アーサー・ランサムは、1884年イギリスで生まれます。
彼の初期の作品が、1907年のBohemia in London で、
ロンドンの自由で気ままなボヘミアンな雰囲気を味わっていたようです。
彼に大きな影響を与えたのは、日本人画家のYoshio Markinoだそうで、
往年のロンドンの、華やかな文化サークルがしのばれます。




Fulhum-Road.gif
A Japanese Artist in London
Yoshio Markino


1913年、妻子をイギリスに残してロシアに渡ったランサムは、
ロシア民話を採集しながら、
1914年から始まる第一次世界大戦を伝える新聞特派員となります。
やがて、1917年におきる、ロシアのボルシェビキの革命も伝え、
レーニンやトロツキーとも親しかったそうです。

1929年、再婚したロシア人の妻(トロツキーの秘書だった女性)と
イギリス湖水地方に落ち着き、その後、あの有名な
「ツバメ号とアマゾン号」を書き始めます。

SAA.jpg



ちなみに、ロシア人と親交があつかったランサムには、
MI5やKGBのスパイだったという噂もあったそうで、
同世代で、南国やアジアをさまよったサマセット・モームにも似て、
2つの大戦をはさんだ時代に、世界を縦横に旅したイギリス人の、
ある典型を見るような気もします。

そんな2重スパイの冷徹な世界とはまったく離れ、
この民話集では、ロシア帝国の田舎の農民の
素朴でおだやかな生活の匂いを、
明るく、色彩豊かに伝えていると思います。
出版は1916年で、ロシア革命の前年です。


実は昨年末に、「坂の上の雲」8巻をもらい、
年末年始の私は、すっかりこの物語に浸っていました。
日露戦争当時の、素朴で従順なロシア兵士の描写が、
この民話集の前書きにある、
ロシアでは、戦場に向かっている兵士までも、
お茶をのめば、昔話のプリンセスの話しをしている、
というランサムのコメントに、ちょうど重なりました。



Russian1.jpg




ほとんどの物語が30分と、ちょっと長めですが、
ロシアらしい風味があって、面白くて楽しいのが多く。
選ぶのに困ったのですが、特に好きだった
5編を紹介します。







Russian6.jpg

00 Introduction (Note & ‘The Hut in the Forest’)  00:10:05
Read by: Andy Minter
MP3へのリンク


森の松のログの小屋にMaroosiaとVanyaの姉弟(?)と
Old Peterが暮らしていました。 
スープとパンの夕食を終えると、
お茶を片手に、ストーブにあたりながら、昔話が始まります。









Russian4.jpg
 

02 Sadko 00:21:18
Read by: Jenny Lundak
MP3へのリンク


Sadkoは、ハンサムだけど貧しい青年で、
ダンスのための音楽を、弦楽器で奏でてもらうお金で暮らしていました。 
ひょんなことで彼が財宝を手に入れても、女性にはぜんぜん、興味がありませんでした。 
彼にはずっと心を捧げている相手がいたからです。









Russian3.jpg



03 Frost 00:20:12
Read by: Joan Freeman
MP3へのリンク


3人姉妹の中で、先妻の娘は、いつも継母にいじめられ、
ついには、森に未来の夫が迎えに来ると偽られ、
吹雪の森においてきぼりにされます。








Russian5.jpg


10 The Stolen Turnips, The Magic Tablecloth, The Sneezing Goat and The Wooden Whistle  00:34:49
Read by: Joan Freeman
MP3へのリンク


畑のかぶが盗まれて、奥さんはかんかんにおこります。 
だんなは犯人をみつけに行かされますが、犯人をみつけてびっくり。







Russia8.jpg


16 The Fire-Bird, The Horse of Power, and The Princess Vasilissa 00:27:33
Read by: Jenny Lundak
MP3へのリンク


皇帝の忠実な僕の青年が、森で火の鳥の羽を見つけました。 
彼の愛馬が止めるのも聞かず、この羽毛を皇帝に献じたことから、
彼は死の危機に瀕します。






Russian2.jpg

19 Salt 00:32:56
Read by: Jenny Lundak
MP3へのリンク



Ivan the Ninny - イワンのばかの物語。 
兄を見習って、船を駆って運だめしにでかけたIvanは、
塩のない国の皇帝に目どおりします。



テキスト:

The Project Gutenberg EBook
挿絵はこの本から取りました

Audio Bookのダウンロードの仕方:

LibriVoxのOld Peter’s Russian Tales

この民話集全部をコピーする場合は、この部分をどうぞ。
Zip file of the entire book – 222 MB
RSS feed · Subscribe in iTunes
Total running time: 7:41:56

それぞれの章の紹介の下にMP3ファイルへのリンクを張りました。
右クリックで聴いたり、保存したりできると思います。



*おまけ*

雪にちなんだ同じ詩を、11人が思い思いに朗読しているのをみつけました。
ちょっと、色艶のある詩です。


Snow Song

Fairy snow, fairy snow,
Blowing, blowing everywhere,
Would that I
Too, could fly
Lightly, lightly through the air.

Like a wee, crystal star
I should drift, I should blow
Near, more near,
To my dear
Where he comes through the snow.

I should fly to my love
Like a flake in the storm,
I should die,
I should die,
On his lips that are warm.



Sara Teasdale


11人の朗読を集めた、LibriVoxのページ


では、 Happy Listening!

コメント

聴きました!

Dillさん、こんにちは。もつこです。

なんだかずいぶんご無沙汰してしまいました。ごめんなさい。
(今月は子どもがインフルエンザにかかったり、自分が滑って尾てい骨を打ってすごく痛くなったり、胃腸のかぜにかかったりとなんだか健康運が最悪でしたので、なかなかこちらにおしゃべりにこられませんでした。)

と、前置きはさておき、聴きました!
アーサーランサムは一応ツバメ号の第一作を読んだことがありますが、こんなロシア民話の再話をかいていたとはおどろきです。

一応全章ききましたが、私もDillさんが紹介してくださったこの5つはやはりよかったです。

そのほかに、The Fool of the World and the Flying Ship とかThe Golden Fish、 The Three Men Of Power – Evening, Midnight, And Sunrise なども面白かったです。
どれも朗読向けというかんじで、とても聴いてここちのよいリズムや繰り返しがあったのもよかったです。ランサムはこういう響きみたいなのを大切にしていたんですね。

ロシア民話って、意識したことなかったけど、わりと、おじいさんとおばあさんでは、おばあさんのほうが強欲で意地悪で悪者が多いような・・・
この話たちにでてくるのはたいがいそうでしたよね。
The Golden Fishはまさにそうで、さらに、普通の話よりも、おじいさんがしいたげられてて、もっとひどいおばあさん!天罰は当然!?(笑)

あとは、みじめな主人公が最後に幸せに、っていうパターン化されたものが多いんですね。
弟を海に投げ込んでしまったり(Salt)かなり残酷な場面もありますが・・・

いずれにしてもこんなにいろいろなロシア民話を聞くことができてよかったです。
今月もありがとうございました!

Re: 聴きました!

もつこさん、こんにちは。
いつも気にかけてくださって、うれしいです。

新年早々、大変だったんですね。 もう調子もどられたのでしょうか?
どうぞお大事に!

もつこさんの好きな3話、私も印象的でした。
空飛ぶ船が特にすきだったかな。
The Golden Fishはドイツのグリム童話にも同じのがありましたよね。
http://corianderuk.blog80.fc2.com/blog-entry-164.html

どうして強欲なのはどの国でもおばあさんで、
人が良くて弱気なのがおじいさんなんでしょうね??
それが、人間のサガなのかしら。。。

私もランサムの英語の響きが良くて、端正な英語だな、と思いました。
ロシア語で農民が語ると、もっと土臭いのかな?

とても読み応え、聴きごたえありました!

今晩全て読みおえ、聞き終えることができました!
一冊読み終えて、すごく充実感があります。
それにしても、すごく面白かった。

私のお気に入りの話は、最初のりんごの話と、ババーヤガー、フロスト、雪娘、貧乏神の話と、火の鳥の話とイワンと魔女の赤ん坊と太陽の娘の話かな、、勝手に日本語訳つけました。

娘は、グリムよりも面白いねと言ってたけど、
グリムみたいに単純な基幹動詞を使った文章ではなく、本当の小説のように話が広がって、想像力もひろがって、外も雪景色とお話が調和して、すごくよかったです。
ロシアのお友達も何人かいたので、素朴で暖かな人柄を思い出し、なつかしく感じました。一番よく読んでいた女の人だと思いますが、いい味でてますね。端正な英語なんだ、ロシアの人なのかなって思いました。

いつも毎日スキー場まで行くのに、三十分はかかるので、ちょうどよかったです。
ただ、ママの英語のヒヤリングは三十分ももたないので、先に読んで対処してました。アメリカから、古本も入手しました。先読みのおかげで、ちゃんと聴けました。読んでなかったら、やっぱり途中で、わからなくなるんですよ。
難しい単語もなく、ロシアらしい単語がわからなかったくらいで、、
娘は本当に目を輝かせて、お話の世界に入っていってました。
寝室で読めるときは、ママが読み聞かせたり、もうひとつ!とねだられたり、短い話ではないので、音楽を聴きながら眠ろうとするけど、途中で寝るから、ピーターの話聞かせてといつも言われてました。

あるとき、娘が私の読んでいる本を取って、イラストのあるあたりを読みはじめました。
意外とすらすら読めるんだね、と二人でびっくりしてました。
やっぱり聞いているからだねと。
でも、ネイティブが読んで一章、約三十分は、ちょっとリーディングに使うのには、難しいな。。

詩も素敵ですね。これからも、詩の紹介も一緒にして欲しいな~

二月のブッククラブ、すごく楽しみにしてますね。




Re: とても読み応え、聴きごたえありました!

mellovemaさん、楽しいコメントありがとうございます!


私もお嬢さんと同じで、グリムより印象深かったですよ。
作家ランサムの文章も魅力的だし、
何より、ロシア民話って、色彩豊かで楽しいと思いました。
ババーヤガーなんて知らなかったけど、怖い!!

スキーの行きかえりに聴いたのですね。
雪国で雪景色で聴いたら、なおいいでしょうね~。

わぁ、詩も気にってくださってうれしいです。

いつもmellovema さんのコメントを読ませていただくと、
お嬢さんのイメージがひろがって、楽しくなります。
ありがとうございます。

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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