英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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BBCで放映された、2006年の映画を見ました。
80年代、イギリスの北の田舎、Sheffieldの公立グラマースクールの成績優秀な8人の青年が、
Oxford とCambridge (あわせて、Oxbridgeとよばれます) の奨学金つき合格を目指して、
野心的な校長先生の後押しで、猛烈に勉強をする話です。


History-Boys.jpg



日本に移せば、東大・京大をめざして、北の田舎の学校で受験勉強をする受験生の物語…となるのでしょうが、
この勉強の内容が, 日本の受験勉強のイメージとまったく違うのです。

ひとことで言えば巨大な知に、タックルするという感じです。
歴史について徹底的に考え抜いて、自分なりの分析をして歴史を批評し、
古今の偉大な文学者の名句を深く理解して、暗誦して、その伝えんとすることを議論する。
そのために、古跡を訪ねて先人に思いをはせ、膨大な本をよみ、エッセーを書いて、書いて、書きまくる。
イギリスの知識人は、こうやって作られるのか、と感心。

Oxbridgeでは、学校で優秀な成績を取った学生が全国から集まります。
学業成績は学校のコースに織り込まれたAレベルの結果で評価されるので,
勝敗を決するのは、Oxbridgeのキャンパスで、数人の教官を前に受ける、
知的に猛烈なチャレンジといわれる長時間のインタビュー。
そこで、いかに自分の知性をアピールするか、訓練するわけです。

この映画では、Oxbridgeをめざす8人のために、特別クラスが編成され、
毎日、毎日、教師を相手に、歴史について、文学について、人間について、徹底的に議論を繰り返します。
実は、今でもイギリスの多くの高校では、Oxbridgeクラスというのがあって、
志望者で、成績優秀な生徒が選ばれ、Oxbridge受験のベテラン先生の指導で、知的な会話の訓練を繰り返します。

この学校で学生を指導するのは、4人の先生ですが、校長先生はもちろん、
年配のMr HectorもMrs. Lintottも、Oxbridgeには行けなかったくちです。
そこに、Oxford卒業の若い先生が臨時教師として雇われ、攻撃的で、戦略的な受験訓練をします。
北の田舎の労働階級の子どもたちを、教師や親たちが、ふか~い思いをもって、
中流階級のエリートの道に進ませようと、奮闘する物語でもあります。

こんな風にまとめると、鼻持ちならない、インテリ映画のようですが、
皮肉とユーモアの中で、教師と学生の人間性が描かれ、感動的です。

中でも、Mr Hectorが語る言葉が、とても印象的。
イギリスのパーティではプレゼントの交換に、よくPass the Parcel という遊びをします。 
輪になって、プレゼントの包みを、次々に人に手渡し、合図があったときに手元にあったプレゼントをもらう、
というものです。 
Mr Hectorは、人生は、Parcel を受け取り、それを感じ取り、次の人に渡していくことだ、といいます。 
「Boys、次の人に渡すことを学びなさい。」と。
彼自身、多くのものを、この青年たちに渡した教師です。
あ、でもGood-by Mr Chipsのような謹厳粛々したイギリス紳士を思い浮かべないでくださいね。 
Mr Hectorは、極端なStrong Languageなしでは、語りえない人物です。


History-BOys2.jpg


誰にでも面白いという映画ではなく、また言葉は難しく、ユーモアも、皮肉もなかなかわからなく、
字幕をつけても、わからないことが多かった気がしますが、それでも、とても、とても素敵な映画でした。
イギリスをイギリスたらしめる、ある一面を、感じることができます。

この映画のもととなった劇を書いたのは、Alan Bennett,今のイギリスでもっとも良く知られた作家の一人です。
BBCは今週、Alan Bennett特集で、彼の75歳の誕生日を祝い、さまざまなドキュメンタリ、劇、映画が放映されています。
私は、Alan Bennettといえば、プーさんの絶妙な朗読者として、魅力的な短編The Uncommonl Readerの作者としてしか知らなかったけど、まさに、知の巨人ともいえる人のようです。
労働階級に生まれて、奨学金でOxfordに進んだ彼は、
彼にすばらしい教育の機会を与えてくれたイギリスの社会福祉に感謝して、
彼のすべての本と原稿をOxford 大学の図書館に寄付するそうです。

The History Boysは、絶賛をあび、様々な賞をとったthe National Theatreの劇を映画にしたものです、

イギリス在住のみなさんは、来週の金曜までBBCのiPlayerでみることができます。

コメント

こういう紹介嬉しいです

すごく好奇心をそそられる映画です。
話題になった映画は気になったら見るのですが、こういう映画はその存在さえ知らないので、Dillさんがブログで取り上げて記事にしてくださると、へえ~、今度見てみたいわ、と思うことができます。

ブログにはその人の好みが反映されるので、この人の感動したものならきっと私も楽しめるだろう、と思うものなのですね。
インターネットってすごいな~。

日本でDVDとして借りられるかどうかわからないですけれどね。

見ました!・・が・・

おお、The History Boys 紹介、ありがとうございます。わが町(はい、北の田舎です!)の話、ということで、数年前、勇んで映画館に行きましたが、沈没しました。会話の中身が大切、ユーモアたっぷり・・という映画は、とても難しかったです。
労働者階級の子供たちが・・という点では、「リトルダンサー」などは、やはり言葉がわからなくても筋はわかりやすいですけどね。
映画の中に出ていた学生さんのドミニク・クーパー、ワーキングクラスから、映画The Duchess「ある公爵夫人の生涯」で、紅茶アール・グレイの名前の由来となったとかいう「伯爵」にまで昇進!

ありがとうございます

 Dillさん、こんにちは。
 私も公開時から見たくて仕方がなかった作品です。宣伝の Rudge の「history とは?」の答えがツボにはまっていたので。以前にテレビ放映された時、一日中楽しみに待っていたのに、悪天候のためサブタイトルが入らず途中で断念しました。録画して何度も見直しても???
 昨日Dillさんの記事を読んで早速iPlayerで観ました。サブタイトルついていてもわからないところはわからなかったですけど(汗)鑑賞後Wikiを読んで「そうだったか」みたいな。
 Mr.Hector が生徒たちに与えた財産、それをいち早く理解した Irwin の表情が私にはグッときました。
 ドミニク・クーパーの謎も解けてすっきり。出川に見えるので・・・(苦笑)「History Boys」出身だったのですね、やっと納得。
 楽しみました。ありがとうございました。

Re: こういう紹介嬉しいです

sunsetさん、こんばんは。

きっとお好きなのではないかしら・・・ぜひ見てみてくださいね。
一応、それなりに話題になった映画のようなので、日本でも出るといいですね~。

私はあんまり映画を見ない方だったのですが、最近メールレンタルに入って月2本借りるので、いい映画ないかなぁ、といつも気にかけてます。私もお気に入りのブログで紹介された映画を借りること多いですよ。 話題の大型より、地味だったり、ちょっとマイナーだったりする映画のほうが、あとあと心に残るような気がします♪

エコーさん、

エコーさんの、わが町だったのですね 
ナイフやフォークで知られた街ですね? 

私も見ながら、「リトルダンサー」を思い出しました。 イギリスは北に長いから、ロンドンをめざすには、北のほうが、はるばる感があるのかもしれませんね。 Sussexからでは、ちょっと風情が足りないかも。私は、北には急ぎ足の旅しかしたことがないので、いつか、ゆっくり北をめぐってみたいな、と思ってます。

この映画がBBCで放映されたときは、私もあっという間に沈没でした。 ワインを片手に、テレビの前のソファに座って、ほんの数分で寝ちゃいました。 iPlayerで見ても、ストーリーは追えても、肝心の歴史の議論の中身は、ぜ~んぜ~ん、わからなかったです。 難しいですねぇ。イギリスらしい! 学校などで、先生のお話しを聞いてても、ユーモアはほとんどわかんないです(笑)。

> 映画の中に出ていた学生さんのドミニク・クーパー、ワーキングクラスから、映画The Duchess「ある公爵夫人の生涯」で、紅茶アール・グレイの名前の由来となったとかいう「伯爵」にまで昇進!  
彼は、この映画でも存在感ありましたものね。 The Duchessはまだ見ていないのですが、ゴージャスとか、そのうち見たいです!

Re: ありがとうございます

hinajiroさん、はじめまして、ですよね? りとるさんのブログですれ違ったことがあるくらいでしょうか?

ブログに遊びにうかがったら、イギリス在住で、Y4とY2のお子さんがいらっしゃるとか、ウチの数年前の頃が、思い出され、親近感をもって記事を楽しく読みました。 ウチの子どもはあっという間にに、Y11とY9となりましたが・・・

子どもがY11ともなると、大学受験ももう視野に入ってくるし、娘の受験に役立つかという下心もちょっとあったのですが、ぜんぜ~ん、役に立ちそうもないですね。 私には、Oxbridge向けの会話は、わからないレベルの言葉の世界だということだけ、わかりました(笑)。

この中で、ピアノや歌や詩が、いっぱい出てきますよね、あれもイギリスっぽいですね。 ウチは息子がChiorに入っていて、ボーイズソプラノで聖歌隊だ、クリスマスコンサートだと出かけるのですが、この楽器や歌や詩が、学校生活にあふれているのが、うらやましい。 息子の学校もエッセーを宿題でいやとほど書かされるし、映画の世界が今の学校にもまだまだ残っているのが、またイギリスですねぇ。

ブログで書いていらっしゃるThe History Boysの感想の続きも楽しみにしてます!

これわたしも見ました!

Dillさん、こんにちは、遊びに来ました。

「勉強する少年たち」が映画や劇になるのがすごいですよね。
知識とは何か、教育とは何かを考えさせる、手ごたえある内容でした。
Hector先生はクセがあるけど、プラトンみたいな、そばにいるだけで
知識欲が沸いてくる先生なんだろうな。
個人的に、後の狼男ジョージやジョン・エヴァレット・ミレーが出ていて
可愛かったわ。

Dillさんご紹介ありがとう。今見ているところです。
ケンブリッジ在住者としてはちょっと嬉しいですね。

ケンブリッジに来る前は、ケンブリッジ学生なんて
鼻持ちならない高飛車な子どもたちだと思ってましたが
結構普通の子も多くて、素直で可愛いです。
彼らに日本語を教える機会も多いのですが
言うまでもなく頭が飛びきりよくて
なんでもするする飲み込んでしまいます。

日本だと東大京大にいくためには
ガリ勉しなきゃいけない気がしましたが
こんな風に仲間と頑張れるのなら楽しそうですね。

Re: これわたしも見ました!

まぁ、さっそくありがとうございます。

私は、歴史とか知識の方は、語彙が苦しくて、
半分ぐらいしかわからなかったような、気がします(苦笑)
そばにいた息子にいちいち意味を聞いていたら、
ひとつ、すごいStrong Languageで、
そんなこと息子に聞くなよな、と言われました。

ニーショゥには、大うけしました。

しばこさんへ

ケンブリッジに初めて行ったときは、大学の芝生のみごとさに、
何より驚きました。 あの芝生へのこだわりが、大学の伝統とか、
緻密な学問とか、象徴しているような気がしました。
夏休みだったので、学生さんはいなかったので、
し~んとしたキャンパスで、とりわけ芝生が印象的だったのかも(笑い)。

かわいい学生さんに日本語を教えているなんて、いいですね。
飲み込みの早い生徒さんだと、予習に手がぬけなさそう。

そう、日本の受験とは、ずいぶん違ってて、楽しそうだけど、
あれは、頭がよくないといけないような気がしますね。

Dillさん、こんにちは。
ず~っと以前にコメントさせていただいたmijokaです。ブログはずっと読ませていただいていたのですが、なかなかコメントできずに失礼いたしました。

Dillさんが紹介してくださっているこの「History Boys」は日本では見られないかなとあきらめていたのですが、きのう近所のレンタル屋さんで発見したのです!嬉しくて早速借りてきました。

この映画のもとになった話を書いたのがAlan Bennettとのこと。実は彼のThe Uncommonl Readerに挑戦したのはいいのですが、その魅力をじゅうぶんに読みとれないまま終わってしまいました。とても難しかったです。いつかもう一度読んでみたいとは思っていますが、まずはこの映画ですね。こういう話は大好きなので見るのがとても楽しみです♪


Re: タイトルなし

mijokaさん、こんにちは。
もう映画をごらんになったのでしょうね。どうでしたでしょうか?

この映画は、私も機会があったら、日本で字幕つきで見てみたいです。
歴史に関する議論なんか、もうちょっとわかりたかったです。
本当は、DVDを停止して辞書を引いたらいいのでしょうが、
そこまで根性がなくて、わからないままが残って、ちょっと消化不良のような気がしました。

The Uncommonl Readerは、淡々としていて、魅力がいまひとつぱっとは見えない、
それがまたイギリスらしいという物語でしたね。
そうそう、12月に5夜連続で、民放TVでエリザベス女王の、ドキュメンタリドラマをしてました。 彼女の人生の5つの出来事を、ドラマにしていたのですが、そのリアリティと率直さに、私としては、仰天しました。 妹マーガレットの既婚者との恋愛に対する葛藤とか、チャールズの伴侶としてカミーラをどうしても受け入れたくない女王にチャールズがいろんな作戦を立てるとか・・・・日本の皇室とはまったく違う距離感なんだな、と改めて思いました。

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Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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