英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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「茶の本」岡倉天心

日本の茶の心を、明治39年に天心が英語で紹介した本で、1906年NYで出版されました。
古来からの日本の美意識を、茶を通して、わかりやすく伝えます。
いつもとはちょっと違う本を聴いてみたら、思いがけず素敵でした。


tea2.jpg

中国での茶の生い立ちから、道教の思想の影響の中で茶がひろまり、
日本で、茶道として研ぎ澄まされていったことを、
利休や、小堀遠州の逸話を入れて、具体的にわかりやすく書いています。
茶が源泉となって、料理、庭、花、建築と、日本の文化のすみずみまで精神的な
影響を与えていることがよくわかります。



欧米の、先祖の肖像がならぶ重厚な調度、代々引き継がれる石造りの古い屋敷、
華やかな銀器やこんもり生けられる花々、こうした文化に対して、
シンプルな調和を追及する、小さい茶室の、簡素な一輪挿しや、古びた茶器にこめられた精神性が、語られます。
平素イギリスの古い城・屋敷・庭園に圧倒されるように感心している私に、
まったく別の視点から日本の建築の清らかさ、潔さをつたえてくれて、
響くものがありました。


西洋が古来、「足し算の美学」だとしたら、日本は「引き算の美学」なのかな、と思いました。
ちょうど、NHKの坂の上の雲のドラマで、簡素に生活しろ、と言い聞かせるせりふに感心していたこともあり、
明治までの日本の文化に思いを馳せました。
私の生活も、もっと、簡素な、精神性をもとめたい、などと、柄にもなく思いました。
(要は、もっとものを減らして、きれいに住みたいという意味です♪)


朗読は、アメリカの男性の方で、穏やかで知的なソロで、素敵です。
中国の固有名詞や、美学に関する言葉など、なれない言葉がありますが、
英語そのものは、平易でわかりやすく、聴きやすいAudio Bookです。
LibriVoxの創設者、Hughさん(精力的なインターネットの知の巨人みたいな方で、朗読の声も素敵ですよ~)のお勧めリストにも入っています。


LibriVoxのページ:The Book of Tea by Okakura Kakuzo (1863-1913)

おまけ:
Wikipediaで、岡倉天心のこんな逸話を読みました。
好きだなぁ *g*

逸話 Wikipediaより
明治36年(1903年)、天心は米国ボストン美術館からの招聘を受け、横山、菱田らの弟子を伴って渡米。羽織・袴で一行が街の中を闊歩していた際に1人の若い米国人から冷やかし半分の声をかけられた。「おまえたちは何ニーズ? チャイニーズ? ジャパニーズ? それともジャワニーズ?」。そう言われた天心は「我々は日本の紳士だ、あんたこそ何キーか? ヤンキーか? ドンキーか? モンキーか?」と流暢な英語で言い返した。
<原文>
"What sort of nese are you people? Are you Chinese, or Japanese, or Javanese?"
"We are Japanese gentlemen. But what kind of key are you? Are you a Yankee, or a donkey, or a monkey?"

おまけの2:
明治の知識人が英語で書いたもうひとつの有名な本、新渡戸 稲造の”Bushido: The Soul of Japan(『武士道』)“ももうすぐLibriVoxにソロで登場するみたいです。
読んでくださっている皆様に感謝。

コメント

粋ですねえ!

Dillさん ごぶさたしてます^^
 天心さん、粋ですねえ。
横浜の赤レンガまで続く「古きよき」たてものの一画に、岡倉天心さんの記念碑があったような記憶があります。天心さんが 自身、英訳もすてきですけど ご紹介いただいたエピソードもステキでした。ありがとうございます♪

Re: 粋ですねえ!

うだきちさん、
なないろぶっくカフェにうかがうたびに、お茶がおいしそう!と感心してます。
特に、浄明寺の桜もちがおいしそう! 鎌倉あたりで、お番茶といっしょにいただきたいです。 この本をさらっと聴いただけでは、私には岡倉天心の造詣の深さの、ほんの数分の一しかわかっていないと思うけど、でもふっと、おいしいお茶をいただいたような、落ち着きと清涼感がありました。
そうそうお嬢さんは、お元気ですか? どうぞよろしく!

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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