英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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夏になって、緑が濃く重なり、夏の草もぐんぐん伸びて、
学校はお休みに近づいて陽気な気分も漂って、田舎に行く季節になりました。
イギリスの田舎の物語を聴きたくなって、都会っ子が田舎に住むこの物語を思い出しました。

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ロンドンの閑静な住宅地の、赤レンガの家で、両親と幸せに暮らしていた姉弟妹に、全く思いがけない災難が降りかかります。 父親はいなくなり、母は疲れ果て、不安な日を過ごしたあと、母子は、資産も、家も失い、全く知らない田舎の小さい家に移り住むことになりました。
今まではトーストにジャムとバターをたっぷりつけて食べていた子どもたちは、今ではジャムかバターどちらかひとつしかつけられない、倹約生活を強いられます。
不安と不便の中で暮らす子どもたちは、どこにいるか分からない父親に思いを馳せて、家のそばを走る鉄道に興味深深です。 やがて田舎の生活を楽しみはじめた子どもたちは、鉄道で働く駅長やポーター、運転手たちと仲良くなっていきます。



100年ほどまえに出版されたRailway Childrenは、イギリス人に今でも好まれている物語で、名前はよく聞くけれど、なんとなく読まずにきてしまいました。
Jacqualine Wilsonの自伝を聴いた時、子どもの頃Nesbitの本が好きだったこと、特に代表作のRailway Childrenの絵を描いて賞をもらった思い出が書いてあり、いつか聴きたいなと思っていました。 

聴き始めると、面白くて、一気に聴いてしまいました。やんちゃだけど親思いの3人の子どもが、田舎でめぐりあう冒険がなかなか面白い。 イギリスの田舎らしい、おおらかな自然の息吹が感じられるし、イギリスらしい階級社会が反映された村の人間模様も興味ぶかかったです。

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何度も映画やTVドラマになりました。

イギリスに暮らしていても、この国の階級意識は複雑で、わからないと感じますが、その中でもUpper Middle Classはあいまいで難しいです。 伝統的には、地主みたいな金持ちではないけれど、教養とマナーを身につけ、Lady や Gentlemanであろうと高いモラルをもって暮らす人々なんだろうな、と思います。 そして、財産がなかったり、不運にも財産を失ってしまったUpper Middle階級の人が、自己実現をしようとする物語は、一昔前のイギリス人が大好きなテーマのひとつのような気がします。 Jane Eyreとか、その作者のBronte家の姉妹も、Upper Middle階級だったし。 
Nesbitの作品の多くも、財産を失い、親もなんらかの事情で不在(がち)なビクトリア時代のUpper Middle Classの家庭を舞台に、子どもたちが、小さいLaides and Gentlemanとしての自覚と、羽目をはずしてみたい思いをないまぜて、冒険をする話しです。

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Nesbitは日本ではあまり知られていませんが、1858年生まれ、ビクトリア時代の終わりからエドワード時代に一世を風靡した子どもの本の作家で、今でも学校の英語の授業にも使われるし、イギリス人の郷愁を誘う作家のようです。
彼女は、イギリスの児童文学のパイオニアと位置づけられる作家で、後に続くナルニアからHarry Potterまで、イギリスに脈々と流れるファンタジー文学は彼女が作り出したジャンルだそうです。 The Railway Childrenはファンタジー色が薄いのですが、ファンタジーたっぷりの作品もたくさんあるそうなので、また聴いてみたいです。
それに、このNesbitという女性は、すごく個性豊かで興味深い人のようです。 今、彼女の伝記も借りてきて、ぽつぽつ読んでいます。

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この物語を聴いていて、ビクトリア時代のUpper Middle階級の人って、日本の江戸時代の武家とちょっと似ているような気がしました。Nesbitの物語の、貧乏だけど誇り高いUpper Middleの家族は、質素に暮らしながら武士としての誇りは高い下級武士や浪人、そしてその妻や子どもたちの物語に通じるものがあります。

Railway Childrenの朗読は思いがけず、赤毛のアンシリーズでとても好きになったKaren Savageさんのソロで、ちょっと早口だけど、清清しい声が物語の雰囲気にあっていて、素敵でした。

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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