英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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懐かしい赤毛のアンの世界に
すっかり浸っていました。

annecover.gif
1908年初版のカバー



中学生の頃、赤毛のアンシリーズが大好きで、
村岡花子さんの訳の本を何度も繰り返して読みました。
以来、いつか原書も読みたいと思いつつずっと積読、
ほんの数ページしか読んだことがありませんでした。

それが、えびさんのお勧めで、
無料で聴ける朗読図書館、LibriVoxの朗読を聴き始めたら、
懐かしくて、面白くて、週末にあっという間に聞き終わりました。

赤毛のアンを、大人になって、しかも英語で聴いてみると
中学生の頃には気づかなかったことが、
いろいろ感じられました。

anncover.gif
カナダで出版された初期の本



まず、英語で聴いていたら、
10歳のアンのボキャブラリーが豊富なことに、まず驚きました。
難しい形容詞がいっぱいでてくる。
たとえば、「腹心の友」は
Bosom friendと耳に印象的な言葉だったけど、
こんな単語は聞いたことがありませんでした。

たった10歳の女の子の口から
難しい、でも彩りにみちた言葉が飛び出してくるのを聴いていたら、
かえって、この子がどんなに長い時間、一人きりで想像の世界にいたか、
どれほどさびしい時をすごしてきたか、伝わってくるような気もしました。

孤児が、かわいがって育てる子どもとしてではなく、
安くて、便利な働き手として引き取られるのが当たり前だった時代だったのだろうけれど、
アンの10歳までの生活は、本当に孤独だったんだと改めて感じられました。

Lucy10.gif
Lucy Maud Montgomery in 1884, age 10 (University of Guelph)


大人になってこの物語を聴いてみると、
アンの心の動き以上に、ひきつけられたのが
マシューとマリラ兄妹の、アンへの静かな愛情でした。

特に、内気で妹とずっと2人で暮らしてきたマシューが、
駅から家に着くまでのほんの短い時間に、アンにひきつけられ、
やがて、一心にアンに愛情を注ぐ様子は、とても印象的でした。
昔は、最新流行のパフスリーブの服をクリスマスプレゼントにもらう
アンの嬉しさが印象的だったけど、
今回は、プレゼントをするマシューの気持ちが好きでした。

それから、この時代のカナダに色濃いイギリスの匂いを感じました。
カナダは、この時代、大英帝国の一部だったのですね。
アンがボートにのって演じるロマンチックなヒロインはアーサー物語だし、
引用される詩や物語もイギリス、特にスコットランドが多い。
女王と言えば、イギリスのビクトリア女王です。

イタリア人は油断がならないので家に入れてはいけないし、
フランスのメイドは、なかなか信頼できない。
髪を緑に染めるヘア・ダイを売りつけるのはドイツ人の行商人でした。
この辺の感覚も、なんともあの時代の誇り高いイギリス人っぽい。

軽い夕食をTeaと呼ぶのもイギリスと同じです。
家の作り、村の生活も、イギリス式を踏襲している感じです。
この時代のカナダが全てそうだったのか、
あるいはモンゴメリー特有の感覚なのかはわかりませんが、
道徳感覚も、古風なイギリス人という感じです。

anneillust.gif
Elizabeth Withington's illustrations for the 1934 Page volume



自然も、カナダとイギリスは似ているんだ、と気づきました。
緯度もあまり変わらないので、四季ごとにアンが夢中になる花も
イギリスでよく見かける植物がいっぱいあります。
たとえば、Mayflowerという花が何度も出て、気になって調べたら
イギリスの5月の印象的な白い花
Hawthornのことでした。

さて、LibriVoxの“Anne of Green Gables”の朗読ですが、
私がとても気に入ったのは、Version3 Karen Savageさんのソロの朗読です。
えびさんが一番のごひいきと紹介してくださったのですが、
私もすぐファンになりました。

少女のような透明感のある声で、ちょっと早口なのですが、
それがなんともアンらしいと思いました。
それに、いろんな登場人物のせりふを
それぞれの特徴をとてもうまく表現していて、
一人で朗読しているなんて、信じがたいほど、うまいです。

ただ、Karenさんはの朗読はやや早いので、もうちょっとゆっくりの
Version2のrachelellenさんのソロの方が聴きやすいかもしれません。
rachelellenさんは、もうちょっと大人びた、やや古風な朗読で、
これはまた作者のモンゴメリーが読み聞かせてくれているような雰囲気があります。

Version 1は30章を10人のボランティアで読み分けています。
こちらは、私は聴いていないのですが、
いろんな英語を聴いて楽しむのにいいかもしれません。
(読み分けた朗読も2つ種類があるようです。これ と これ


各章が10分から15分の短さと手ごろなので、
章ごとに、ゆっくり聴き進めていくのが楽しいと思いました。

こんな風に、いろんな方の英語の朗読を聴き比べられるなんて、
すごく贅沢な気分です。
しかも、無料なのですから・・・・多くのボランティアの方に感謝でいっぱい。
(ダウンロードの仕方は、こちらの「秘密の花園」の記事にあります)

昨日は一日娘のお付き合いで、ロンドンの北の郊外に行きました。
待ち時間が長かったけど、ちょうどいいと、シリーズ2巻目、
Anne of the Avonleaを聞いていました。
これもKarenさんのソロで、楽しかった!
聴いていると、中学生の頃の自分に出会うような懐かしさ!
20年以上ぶりで、Miss Lavenderに再会しました。

しかも、Karenさんがこの本を朗読したのは、2008年の3月。
ついこの前読んだばかりの、ほやほやなんですね。
なんとなく、それも嬉しかったです。

Karenさんが、これから3巻以降もソロで朗読してくれるといいな。
彼女のソロを待ちながら、このシリーズを最後まで聞いていきたい気がします。
(Karenさんはシリーズ最終巻、Rilla of Inglesideはすでにソロで朗読してくれています!)

LibriVoxのモンゴメリーの作品リストはこちら
アンシリーズ以外の作品もあります。
くわしくは、こちらへ 赤毛のアンシリーズ完全版朗読・覚え書き

おまけ
このブログで使う画像を探していたら、
カナダの図書館のモンゴメリーのコレクションにたどり着きました。
彼女の生い立ち、彼女が作ったスクラップブック
赤毛のアンシリーズの本の表紙やイラストの変遷などが見られて楽しいです。

コメント

Dillさん、こんにちは♪
Anne of the Avonleaまで聴かれたのですね!
実は私、ずっと赤毛のアンにイギリスのイメージを重ねていたので、それが気のせいではなかったことがわかってうれしいです。笑
私もパフスリーブの話が大好きです♪言い出せなくてブラウンシュガーを買ってしまうマシューや、それを品質が悪いとつっこむマリラも最高です!笑
小さい頃からマシューが大好きだったのですが、マリラがこんなに親切で愛情深い人だったとは気づいていませんでした。英語だとマリラは(厳しいというより)天然のつっこみ系なんだということが伝わってきてますます魅力的に感じました。笑
Anne of the Avonleaは出だしで躓いて投げているのですがまた聴いてみようと思います。きっかけをありがとうございます。(*^^*)

Dillさん
春ですねー!
「赤毛のアン」にぴったりの陽気になってきましたね。
紹介して下さったLibrVoxのアンに私もチャレンジしてみたのですが
早口の米語にたじたじで…これからゆっくり慣れていきたいです。
ディケンズの朗読は英語なので聞きやかったです。

赤毛のアンの装丁も色々あるんですね。
1908年初版のカバーはアンティークショップに並んでいそうなエレガントさです。
本の売れ行きに関係するものだから出版する時代や国ごとに個性があるんでしょうね。
この100年間の世界中の赤毛のアンの表紙を並べたら面白いでしょうね。

Dillさんは
「Further Chronicles Of Avonlea」「Chronicles of Avonlea」は読まれましたか?
私はこれらの短編集も好きなんです。
個性的な住人の様子は今も変わらないなあと思いながら楽しみました。

それからトルコ語で「Snow」を
英語でKhaled Hosseiniを読みました。
お陰様で自分の中で区切をつけられたような気がします。

nさん、

nさんも赤毛のアンがお好きなんですね。
そう、私も今回、マシューとマリラがなんとも魅力的に感じました。そして、もしアンが間違ってやってこなかったら、(男の子でももちろん、愛情深く育てたのでしょうが。。。)この2人の生活はどんなだったのかぁ・・・なんて考えてしまいました。
nさんの、マリラが“(厳しいというより)天然のつっこみ系”というコメントにうなずきながら、そこもとてもイギリス人ぽいのかもしれない、と思いました。イギリス人は、ストレートに愛情を出すのが照れくさいような、そんな感覚があって(今はもうあんまりないかもしれないけど)、ちょっとひねたようなユーモアを好むというか、それがマリラに反映されているような・・・そんな気がします。(うまく説明できないのですが。)
昨日の晩、Anne of the Avonleaの最後まで聴きました。 晩夏のロマンチックな夕べ、ベルがこだまとなってひびきわたるシーンを聴いたのが、ちょうどイギリスの春の夕暮れ、外にいたので、とても印象的でした。 楽しんでくださいね♪

マージさん、

本当に春ですね~。昨日は日の光がさんさんと春爛漫、今日は雨がびちょびちょ、そこが春らしいですね(笑)
ええ、Karenさんのこの朗読は早口ですよね。 私も最初はたじたじでした。 
LibriVoxはアメリカ人の方が圧倒的に多くて、アメリカ英語を聴くことが多いですね。 本のデジタル化もそうですが、インターネット上の新しい試みや、ボランティア活動はアメリカの活力を感じてしまいます。 アメリカにはいろいろ思うところがありますが、この点は、すごく尊敬してしまいます(笑)
古い時代のイラストを見ると、アンがとても大人っぽいですね。 特に、日本のアニメと比べるとその差が大きいけど、これは昔の子どもが早く大人にならなくちゃいけなかったからなのか、欧米のティーンがずっと早く大人びるからなのか、その両方なのか。。。
「Further Chronicles Of Avonlea」「Chronicles of Avonlea」は、よく覚えていないのですが、新潮文庫のモンゴメリーは全て読んでいたので、読んだかもしれません。 アンのお話しと印象が混じって、よくわからないのですが。 今度LibriVoxで聞くか、デジタルブックで読んでみますね。昔読んだお気に入りクラシックを、大人になってもう一度楽しむのは、とても嬉しいものですね。 モンゴメリーの短編も、きっと楽しいだろうなぁ。

マージさんはどうしていらっしゃるかな、と時々思っていました。 新しい春の日を楽しくお過ごしくださいね。
これからも時々、コメントくださいね。楽しみにしています。

Dillさん、再びこんにちは。笑
>イギリス人は、ストレートに愛情を出すのが照れくさいような、そんな感覚があって(今はもうあんまりないかもしれないけど)、ちょっとひねたようなユーモアを好むというか、それがマリラに反映されているような・・・そんな気がします。(うまく説明できないのですが。)
わかりますよー!
ほんとは「私、イギリス人のユーモアが好きなんです。」と書こうとして飲みこんだんです♪
それだけいいたくて。笑
ではでは。

Dillさん、こんばんは。

Karenさんの朗読、二作とも聴き終わったのですねー。早っ!!

Anne of Avonleaはおっしゃるとおり、つい最近アップされたばかりだったので
DillさんがKarenさんの朗読で聴いたと伺って、びっくりしてました。
偶然にも、Avonleaを今日全部聴き終わったところだったのです。なんてタイムリー!
Miss Lavenderの結婚式はとてもロマンティックでしたね。もう1回あの章だけ聴きなおしたいです。
それから、Stormの章もすごかった…Ginger好きだったので、泣きそうになりました。

Anneは1冊目も2冊目も、風景描写がすごくステキで
目の前に白い花びらが舞っていたり、湖がきらきらしてたり、すごくイメージが膨らむんですよね。

皆さんがおっしゃっるとおり、Karenさん、ものすっごい早口なんですが
かえってそれがAnneらしいな、と私も思っていたところです。
Anneって、話したいことがありすぎて、きっと絶対早口!と。

Green Gablesは、Anneがだーーっと喋って、章の最後にマリラがぼそっと何か言う
という形が多かったのが、とても気に入りました。
マリラって、ほんとにアンのことが好きで好きでたまらないんだな、という感じが伝わってきて
何回かほろりと泣きそうになりました。
アンが長いこと出かけて帰ってきたときに、チキン焼いて外に立って待ってたー、ってところとか。

そうそう、カナダってほんとにイギリス風だと私も思います。
1990年代にちょっとの間トロントに住んでいましたが
町の名前とか、道路の名前とか、イギリス由来のものが多かったです。
4時のお茶の時間はほとんど廃れていましたが
それでも公園にある銅像はヴイクトリア女王だったし、オンタリオ州にはロンドンという街もあったりします。

Prince Edward Islandには行き損ねたんですよね…。トロントからあんなに近かったのに。
Green Gablesが見たかったなあ…。
あ、でもイギリスからは確か、近かったと思いますが。飛行機で4時間くらいではないですか?
夏の旅行とか、きっといいですよねー、と、誘惑してみました。

いつもここへの書き込みは長くなってしまうのですが
本日、石井桃子さんの「楽しい川べ」を日本語で読み終わりました。
E・H・シェパード(訂正!)が描いた挿絵のヒキガエルくんが、かわいかった!
あの本の主人公は、どうもヒキガエルくんのような気がしてなりません。

Anne of Avonleaも聴き終わったので、私は明日から
AdrianさんのThe Wind in the Willowsを聴く予定です。

何か、Dillさんと同じものを聞いていると思うと、とても楽しいですね!

ありがとうございます

拙ブログにお越し下さり、ありがとうございます。アン北米出版百年ということで、カナダではアン関連本が続々と刊行されています。催しもいろいろあって楽しみです。

そうそう、メイフラワーのことですが、カナダのメイフラワーに関しては下記サイトに載っていますのでご参考までに。http://www.h3.dion.ne.jp/~a-garden/intro2.html

えびさん、こんにちは
Anne of Avonleaになると、アンの腹心の友たちの世界というか、アンの色がぐっと濃くなりますね。 道に迷って、Miss Lavenderに会うシーンも好きなんです! 古い石作りの家の描写も素敵だし、はらぺこのところで頂くTeaの素晴らしいこと! この物語を読んで、あの時代は、料理、特にお菓子作りは、女性のレクレーションでもあったんだなぁ、と思いました。 だって、アンもダイアナも、Miss Lavenderも、もうそれは楽しそうに料理してますよね。

>Anneは1冊目も2冊目も、風景描写がすごくステキで
そうそう、ステキですよね。 アンを聴いてから、今年のりんごの花を見るのを楽しみにしています。

Karenさんって、ものすごくたくさん読んでくださっているのですね。 Karenさんのリストを見て、次は何にしようかなぁって考えるのは、つくづく幸福な気分です。
10歳のAnneはきっと早口だけど、2巻目になると、彼女はぐっと大人びて、段々聞き上手になっていきますよね。 そっと、よりそって、心を分け合うような・・・・それってすごく素敵だと思いました。昔、熱烈にアンのようになりたかった自分の気持ちが蘇ってきました。

>本日、石井桃子さんの「楽しい川べ」を日本語で読み終わりました。
日本のニュースに遅れがちですが、石井桃子さんが亡くなられたと聞きました。 憧れの女性でしたので、とても残念です。 昔、犬養道子さんの幼いころの自伝「花々と星々」を読んで、おじいさんの犬養毅さんのところに通ってくる書生として石井桃子さんがでていくるのが、とても素敵で、素敵で、この若い桃子さんのイメージがいつまでも私の中に生き生きと残っています。

本当に、えびさんとこうやって、おしゃべりしていると、話しがつきませんね。
そのうちにぜひイギリスに遊びにいらしてください! Kentの秘密の花園や、柳が風に揺れるテームズ河に行きませんか?(笑)ウチは子どもとのかねあいでばたばたして、プリンスエドワード島は当分無理そうなので、近場で、イギリスの物語の旅をしようと思っています。

私のTreasure Islandは、思いがけず難しく、ちんぷんかんぷんに陥りがちで、難破寸前です。 Adrianが演出たっぷりに楽しくPerformしてくれているので(酔っ払いの水夫がラム酒を飲みつつ唄うとことか!)、わからないのはそのまま、わかる範囲で、終わりまで楽しもうと思っているところですが・・・

ゆかじんさん、

メイフラワーのこと、教えてくださってありがとうございます。 ご紹介の記事を読んで、感心してしまいました。 Mayflowerは本当に何度も物語に出てくる、印象深い花なので、これが白い潅木なのか、ピンクがかった草なのかは、私の物語をイメージにも、ちょっとしたいが違いが生まれました(笑)。
それに、アンの世界って、ゆかじんさんを始め、とても熱心な方たちが、大事に、丁寧に研究してくださっているのだな、と有難く、楽しく読ませていただきました。

せっかくご紹介くださったのに、まだ朗読が楽しめていません...。どうもパソコンの具合がよくないらしく、音声のミュートを解除するコマンドが表示に出てきてくれないのです。何度もあちこち探っているのですが、いまだ音声を楽しめる状態になっておらず...。ぜひぜひ鑑賞したいと思っていますので、がんばります! 

Emiさん、

そんな、気にされないでくださいね。
朗読は逃げずにありますから、いつまでも。

PCって、機嫌によっては、音が楽しめないものなのですね。 いつか突然壊れるかもしれないし、なかなか油断できませんね(笑)。 
NHKの番組はいかがでしたか?映像がきれいだったでしょうね。料理も出たらしいですね。 そういえば、昔、「赤毛のアンの手作り絵本」とか言う本をもっていて、お話しに出てくる料理の写真をながめまわして楽しみました^^。

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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