英語で本三昧

英語の朗読を聴いて楽しんでいます。 

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暗い冬がやっと終わり、
春もたけなわイースター休暇になって、
Tollyはひいおばあさんの家に帰ってきました。



GKChimnie.jpg

Tollyは、家がどこか違っているのに気づきます。
あの大好な昔の肖像画がなくなってる!
家の修繕のために、肖像画を売ってしまうかもしれないと知ったTollyは、
200年以上前、この家でなくなった宝石を見つけ出そうと、
広い庭や屋敷をひとりで探検してまわります。

そして、夜になると、おばあさんから
宝石がなくなったとき、この家に住んでいた
盲目の少女Suzanと、ジャマイカ生まれの少年Jacob、
2人の昔話を聞いて、ひきつけられていきます。

宝探しを始めたTollyは、屋敷や庭のあちこちで、
100年も、200年も昔の小物を見つけます。
誰かが集めた貝殻や、象牙の柄のナイフとか。
昔この家に住んでいた、どんな人が使ったのだろうと、
Tollyは思いを巡らせます。

日本の木と紙の家は、100年も生き延びることは稀で、
何世代も家を引き継ぐとか、
数家族が住みついだ家という感覚を、
自分の生活の中に感じたことは、ありませんでした。
そういう感覚は、寺や旧跡とか
名所だけのものだと思ってました。

思いがけずイギリスに住んで、気づいたのは、
ヨーロッパの石の文化では、
普通の家や建物に、多くの歴史の記憶が刻まれていることでした。

まったく、100年、200年前の古典を読んで、
ロンドンなどの大都会の、その住所に行ってみれば、
物語のモデルとなった家がそのまま残り、
今も普通の人に住みつがれているのは、
不思議な感覚です。

イギリスの田舎に行くと、
村の一部が、そのまま、百年前の時間中にあるのも、
すごく不思議。

それが、イギリスだけではなく、
イタリア、スペイン、ドイツ、でも同じでした。
この、何世代にも引き継がれてきた、
石の家の記憶の中に暮らしていると、
人一人の人生なんてちっぽけで、
長い歴史の中に、一瞬登場するだけなんだなぁ、
なんて感じたりします。


この物語でも、
Green Knoweの家が雨漏りしても、
僕は、こうしておばあさんと暮らせるなら気にしない、
というTollyに、おばあさんは、
この家はやがてあなたのものとなり、
それからあなたの子どもに引き継がれるのだから、
大事に直しながら暮らさなくてはいけない、と教えます。

ヨーロッパの人は、
喜んで古い家を探して移り住むし、
苦心して自分好みに手を入れながら使い、
やがて次の世代に渡していくことも
意識して暮らしているのですね。

古い家や街の記憶が、何百年も続いてきたし、
これからもたぶん続いていく、
その感覚って、ヨーロッパの文化の種みたいだと感じます。

この話って、kikiさんも書かれている通り、
筋書きを書いたら、うまく出来すぎ、荒唐無稽だけど、
読んでいると、おばあさんとTollyの世界に引き込まれるんですよね。

Boston夫人が、
古い家をすみずみ愛しんで住みながら、
自分でいろんな想像を巡らした世界を、
毎日の暮らしの中の、発見やこだわりを調味料にして、
丁寧に、楽しみながら、こまごまと書いているから、
こっちも楽しくなってくるんだと思います。

この話は、毎晩のおばあさんの昔語りが特に楽しいので、
朗読で聴く語り聞かせが、ちょうどうまくはまって、
味のあるAudioBookでした。



From Time to Timeという映画はこの物語を、ぐっと豪華な時代劇にしたようです。
上映館数が少なめの地味な映画だったようですが、2月中旬にはDVDになるので、見るつもりです。







YouTubeに1980年代にBBCで放映されたThe Children of Green Knoweがありました。
古めかしいけど、原作を忠実にドラマにしてます。
ただ、この屋敷は、Boston夫人のGreen Knoweとは別の場所を使っていると思います。


コメント

この動画、どっちも素敵♪

こちらにもお邪魔します♪

凄い! 凄い!  この動画!!  どっちも素敵ですね~。  思わず見入ってしまいました。  1本目のジェイコブと思しき男の子が可愛い!!  スーザンと思しき女の子はイメージしていたよりもちょっと大人びている感じがしました。  トーリーは2本目のBBCドラマの方がそれっぽいかな(笑)

今日はこちらにお邪魔して、何だか得しちゃった気分です ^o^

インフルエンザでお休みしています。
この物語、すてきですね。英文学音痴の私は、全く知りませんでした。
今日から、NHK教育テレビで『英語・愛憎の二百年』という4回シリーズの番組が放映されます。江戸末期から明治維新、明治から大正期、戦前戦中の昭和期、戦後の英語教育史的な内容です。愛憎のという言葉が、何とも日本人の英語に対する屈折した思いを表現しているようで、可笑しくもあり悲しくもあります。NHKオンデマンドというものでダウンロードして視聴可能かもしれませんが、内容の一端と感想をそのうちブログでもアップしようと思っています。全回にわたって、鳥飼玖美子さんがナビゲーター役として出演されるそうですが、和歌山大学の江利川先生も第3回に出演されるそうです。

Re: この動画、どっちも素敵♪

お気に入りの映画化って、なかなか微妙ですよね。
思い入れが強いと、それだけ、注文もつけたくなるし。

Harry Potterなんかは同時進行だったから、
俳優陣のイメージと原作がすっかりシンクロしちゃったけど、
読んだあとで映像を見るときは、うまくはまるとみっけものをしたような気分。

今こちらでは、イシグロカズオさんのNever Let Me Goの映画化が話題で、
クリップがよくテレビで流れてます。
この原作がよかったので、映画を見たいような、
見たくないような・・・・

Re: タイトルなし

ホッピーママさん、ご無沙汰しています。
お元気でしょうか、年度末でお忙しいことと思います。

NHKの番組の情報ありがとうございます!
残念ながら、ここでは見られなかったのですが、江利川先生のブログは
ご紹介いただいてから、ときどき見にうかがっています。

鳥飼さんも、英語の論文をたまたま読んだところだったので、懐かしいなぁ、と
同通で活躍されていたころを思い出しました。
英語の華やかな世界への憧れを掻き立てられたものでした・・・(笑)

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Dill

Author:Dill
イギリスのロンドン郊外に住んでいます。 
本は大好き。読む本がなくなると落ち着きません。
とうとうまわりに日本語の新しい本がなくなってしまったので、英語の本を楽しみたいと思っています。

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